非MtG)閃の軌跡を振り返って その弐
非MtG)閃の軌跡を振り返って その弐
非MtG)閃の軌跡を振り返って その弐
皆さんこんばんは。しもべです。


 台風は無事過ぎ去りました。
しかしここ数年は無かったようなコースに少し面喰いましたね。まぁいつも通り愛知は大した事のない被害の様です。



 さて、前回の感想の続き。
書くと言ったのでまぁもう少し続けようかと。


前回は学生が持つ子供の幼稚性について述べましたが、今回はもう少しずれた部分。前回挙げた通り閃の軌跡は学園物です。その部分に少々言及を。

 この学園と言うのもこれまでには無かった要素ですが、主に2つ。
-季節ごとの行事がクローズアップされる。
-学生間の交流が有る
と言う事でしょう。


 春に入学。夏にプールと夏休み。秋に文化祭。冬に降雪と卒業式。
四季折々、其々季節に沿ったイベントがこなせる為にストーリーに季節感が出てきます。空にしろ零にしろ、そう言ったものは殆どありませんでしたからね。
メインイベント的な旨味はもちろんですが、そう言った時間の変化を重ねることで人間関係の変化にも同時に影響させる事が出来ます。
 加えて、夏服・冬服と言う概念もまた生まれました。
これまでは主人公達が年中同じ格好をしていたため余計に季節感も薄まりましたが、今回は違っていました。同時にこれは3Dのリアル投身にした事も関係が有るのでしょう。様々な衣装も出てきましたし、好きなキャラに色々な個性を持たせる事ができ、遊び心も出す事が出来ます。
課金商法の餌食になっている気もしますが、まぁ要らないのなら買う必要もないもですからね。これまでが1種類の服装をずっと通してきていたのですから、不要な人は不要で問題無し。欲しい人だけが遊べる。

 学生として学びの立場を作り、学園物とした事で主人公達の未熟さにも正当性が出ることは前回言及しました。
が、今回はそこに「学び」のタイミングも正当に立てる事が出来ます。ストーリー的な側面で出てきた事実・知識をプレイヤーに提示する際、仮にも社会人のエステルやロイドが何で知らないの?と言う様な事も今までは有りました。例えばロイドが公務員にもかかわらず自治州代表を知らなかったり。この様な明らかに不自然な知識の欠如も有りましたが、学園ものとする事でその欠如も問題性が薄く、且つ授業や実地学習でフォローも自然に行う事が出来ます。
 プレーヤーのための補足をストーリーに置いて自然に行う事が出来るため、ストーリーに整合性を保てるようになっているわけですね。

 また、仲間たちの、他の学生との交流を描く事が出来るのも新しい試みでした。
其々の仲間たちが、VII組以外に自分が所属する部活に置いて他の学生たちと交流を持ちます。これは同僚は持ってもパーティメンバー以外での交流が少なかった前作までとは大きく異なる部分で、よりその人間性を掘り下げるのにとても役に立っている様に見えました。VII組にいるだけでは見えなかった部分に光が当たり、好感触でしたね。
フェリスとアリサ・ラウラとモニカの其々の友情物語やユーシスとポーラの和解。園芸部で以外と馴染むフィー、毒牙に脅えるエマ等、どれもVII組だけでは見れなかった一面です。

 が、ことこの事が逆に絆の欠点であるリィン以外の交流の薄さを際立たせてしまう皮肉
こいつらVII組よりも部活の仲間の方が仲良くない?という・・・。
そんな作品としての欠点も浮き彫りにさせてしまいましたね。


 そして始まりと終わりを描いた一年間の軌跡の最後。
閃IIで数少ない美点として数えているのが個人的には後日談。閃の軌跡が特化クラスVII組の1年間の軌跡として描かれている以上、その終わりを明確に描いてくれたのは嬉しい部分でした。
同時に一年間一緒にいた各学生たちの成長。そして別れ。
終りの哀愁と始まりの希望を描いた情緒的なこの季節を表現していたのは素晴らしいと思いました。
単に話を進めているだけだと味気ないのですが、各キャラクターを追ってその世界に入り込んでいると何とも言えない感情が湧いてきました。



・3Dグラフィック
:慣れ親しんだプチキャラから前時代レベルの技術の3D化には多くの人が戸惑いました。私もその一人です。
しかし、その要因はキャラグラがプチ→リアルになったというだけでなく、単純に技術力が拙過ぎたのが大きかったと思います。が、この部分もやはりいい所も多数ありました。
キャラクター性をより持たせる表現が出来る。投身や体格・体形の違い。歩き方や呼吸法や自然体での姿勢。クラフトの演出などモーションの自由度も上がりました。最後の寮の絆イベントなどすべて共通の抱擁(女性)であっても相手と抱き合う様なアリサやエマ、相手に体を添えて重ねる様なラウラに、相手に抱きしめてもらう様なフィー、その逆のトワ、体当たり的に抱き着くミリアム。これだけキャラクターのイベントにおける演出も異なっているのです。これは握手(男性)でも同じ事が言えます。
より深くキャラクター性や演出を表す事には成功している部分も確かに有ったはず。
またマクバーンやヴィクターの様な激しいアクションも有る。

 問題は細かな部分や普段の気合を入れて無いような部分での拙さでしょうね。
顔の造作パターンなども拙い。イラストとは大違いです
特に女性が判りやすいのですがクレアやエリゼは涼やかで凛とした眼、シャロンはとことん甘いトロンとした眼、トワは可愛い丸眼。もちろんこれに加えて全員顔の他の造作も異なります。が、しかしゲーム中で全員同じ顔をしている。ほぼ全員トワの眼に統一/大差ない顔となっており残り3名のイラストとの違い・違和感が半端ない・・・。
キャラクター性を持たせるリアル表現とは?
(パンツの柄とか凝ってる場合じゃねーンだよ・・・。)

 加えて気になるのは、女性キャラに見られるバストの表現。
零・碧の頃からわざわざデザインに注文を付けるぐらいバストの大きさにはこだわっているわけですが、流石に今回は大きすぎる。奇乳レベル・・・。しかも2になってさらに酷くなった。
フォトカノを見た際の違和感を感じた・・・。
非常に個人的な意見かもしれませんが、流石にここは直してほしい。

 反対に男性陣側の御座なり感
男性キャラだって女性と同じく各人によって体格差なんかは当然出てくるはずですが、そちらはほとんど同じです。
人によって投身・身長だけでなく、胸板の厚さや首・腕の太さや長さ、筋肉の付き方などの体格は千差万別の筈。にも拘らずここら辺は殆ど手を加えられていません。一応表現はしていますが違うと言う程の差が出ていない。明らかにゴツイと違いが言えるのは軍人であるナイトハルト教官や偉丈夫として描かれているヴァルカンや学園長ぐらいのもの。水着姿の時は僅かな差はありますが、女性陣に比べると明らかに手を抜いている感が有ります。
普段から鍛えているリィンと一般人のエリオットが殆ど大差ない体格なのはおかしいですよね?


 他にも軍事パレードの様な並列進行。謎のお手上げモーション。荷物の手渡しの際に空を攫む動作。また戦闘クラフトも本来は表現の幅が広がるはずが、連打系の減少など迫力のある物が減りました。イベント戦闘も含めプチキャラ同士の閃からリアル投身になってのっぺりゆっくりもっさりになっている等本来は在り得ない劣化が存在すること・・・。
余りに問題が多い・・・。
その結果閃Iの学園祭のステージは非常に気まずい。こいつら一体何してるんだ?になります。

 ただモデリングは兎も角デフォルメレベルはこの方向性で良いと思います。
FFの様な何処を目指しているんだこのホスト達は・・・の様なグラ至上主義になる必要はない。適度にアニメ調のグラフィックが丁度良いと個人的には考えています。。

 それに閃I→IIにて進歩しています。
更に東京ザナドゥでもさらに進んでいるように思えます。今後の進歩に期待しつつお布施をしたいですね。
特にグラフィックなんて大手を除けばガストぐらいしか満足のいくものは作れていないのが日本のゲームですし、美麗とは言いませんが不満が出ないくらいで良いと思います。グラを売りにしている作品でもありませんしね。



・絆イベント
:これまで散々批判をしてきましたが一周まわってやはり良い部分は良い(良い部分も確かにある)のだと考えます。
キャラクターのメインシナリオでは見えないような部分の掘り下げが出来ているのは実に素晴らしいと思います。

 共通としては各人のクラブ活動を通しての交流。明確なVII組の外(もっと言うのなら主人公が関わらなかった部分)の交流が描けている事が大きい。

 加えて各人に、より人間味を持たせるようなイベントの数々。
アリサの家族想い・本来持っている優しさを反映させた話。無骨なイメージのラウラのお弁当やエプロン姿の様な女性的な部分を強調させたようなイベント。無愛想で冷たいイメージのあるユーシスが家族関係で思いを馳せたり、子供の遊びに付き合ったり、リィンに対してのさり気無い気の利かせ方。真面目なマキアスがクラス副委員としてVII組の世話を焼いたり、お世話になった人々へ挨拶に回ったり。サラが故人にお酒をお供えするなど。
メインでやるほど重要ではないながらも、その人のちょっとした為人を感じさせるようなサブイベントとしてはよくできていると思います。簡素過ぎるのも有ったりしますが、ラウラやユーシスの普段のイメージとのギャップなんて見ていて実に楽しいですからね。
 問題はそれを選択性にした事ですよね。ここまでサブ的な要素なら零・碧で見られたモブやサブキャラとの会話で発生するサブイベントの様にして欲しかった。キャラの掘り下げをしたい人だけがマラソンする事で選べて面倒な人はスルー出来るようなFF9のシステムに近い仕様にして欲しかった。

 その中に共通のイベントとして二人が関わって二人分リンク値が上がる様な話とかもあると良かったかもしれません。Iのエマのためにフィーを捜してくるイベントの様な物をもっとしっかりした形で。

 各イベントに関しても、もう少し人形劇を増やした方が良い。説明文だけではあまりに簡素。同じ事はイベント内の戦闘や訓練イベントにも当て嵌まると思います。説明だけで終わっては臨場感も無い。
普通に戦闘しろよ。

 そう考えるとイベントの中身自体に問題が無いのですから、やはり問題はメインでの扱いの薄さなのだろうと再確認。メインにしっかりその人間がテーマとなり活躍する話を入れて行って、絆は追加の形にすればこんな事にはならなかったのでは?と。そして、同時にメインでの仲間内での交流の様子をもっと入れていきリィン抜きの関係が構築できれば~と。
 だからこそ、閃I自体にはIIに比べると批判はまだ少ないのだと思います。それでも絆システム自体の問題点はある為、矢張り上述のようにフリーにして欲しい。


 後は、上の人物たちは兎も角、家族に対するテーマを追い続けるフィー、魔女である事に悩むエマ、自身の生い立ちについて掘り下げられるミリアムなどはメインに入れるべき話だったと思う。全てではなくとももう少し増やす必要が有ったのではないか?とも思います。
(彼女たちは明らかに一連の筋の通ったストーリーが在りますからね。1から順に見ていく必要のある形になっています。ペルソナのコミュの様な形。)

 エリオットとガイウスは話の結論は悪くないのですが中身が薄すぎて・・・。
ここは本当の意味でテコ入れが必要でしょう。



 因みに、Falcomの次作である「東京ザナドゥ」でも絆システムは入れるようです・・・。
この悪しきシステムの出来や立ち位置がどの様なものになるかは判りませんがシステム自体はまた変更される様ですね。
零から始まり少しずつ変化をさせ修正を加えて言っているこのシステムですが果たして完成はあるのでしょうかね?

(しかし、わざわざザナドゥでこれをする必要が有るのかは甚だ疑問。
私はザナドゥシリーズは過去プレイした事はありませんが、同じようなシステムを設けるのなら一々別の作品をやる必要が無い。絆をやりたいならそれこそ軌跡シリーズで十分なのでは? 別に絆システムは客寄せパンダにはなってはいないと思いますがね・・・。
 こういうシステムを入れる以上イースの様なシンプルで簡易なストーリーではないという事でしょうかね?

 取り敢えずトワ先生はずるいわ・・・。
流石Falcom、ひきょうだぞFalcom。)




 ここで言う様に良い部分と言うのはやはり確かにあります。
変化が起こっただけではない。
しかしその表現・演出が致命的に悪い・・・。
自身の良い部分を消してしまっている感が強い。残念な事なことですね・・・。




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