レガシー) 《突然の衰微》について延々と考えてみた前篇:カード特性
2012年9月28日 考察「 I got it!! I got it!! Iー 」
皆さん、こんばんは。しもべです。
早いもので今日で9月も終わりです。
さて、そんなこんなで今日も書いていきましょう。
今日はRTRの既発カードについて考えるの第参回。
御題は皆大好き(?)《突然の衰微》です。
そのカードパワーの高さからLegacy民も注目しているBGカラーの新星ですね。
(やっと書き終わる事が出来ましたよ・・・。
要した時間2週間。しかもその間に3回ほど諦めて投げた・・・。
全部読んでいると間違いなく鬱陶しくなるため斜め読み推奨。)
さして目新しい事は書いてないので、要注意w
まずは、テキストをペタル↓
《突然の衰微/Abrupt Decay》 (黒)(緑)
インスタント レア
Abrupt Decayは呪文や能力によって打ち消されない。
対象のマナコストが3以下である土地でないパーマネントを破壊する。
スポイラー登場当初から各地で祭りが起こったカードですね。
これぞ「パワーカード!!」の代名詞の様なカードです。
ただ、私は「涎が出るほど~」と言うほどには評価してはいません。
非常に強力なカードではありますが、飽くまで要検討が必要なカードだと思っています。
私がこれを見て思ったのは、まずKPは高いものの「何かの上位交換ではない」 という事。
レガシーのカードは各カード強力ですが、それ以上に1枚1枚に積まれている意味、明確な役割 を持っています。
その観点から言って、このカードが何かの代わりに・・・という期待を完ぺきに果たすものではないと考えています。
間違っても《名誉回復》の代わりになるなんて事はありません。
一応、比較され得る(万能)除去カードを少し挙げます。
《名誉回復》:Simple is Best!!
《大渦の脈動》:アドバンテージ・フレンドリーファイヤの両可能性あり
《忘却の輪》:SnT対策の常備兵装。でも脆い。
《拭い捨て》:安定していて強い。がダブルシンボルが厳しく、同マナ域に《ヴェンディリオン三人衆》がいる。
《混沌のねじれ》:SnTがいる限り、「江村さん、こんにちは(^^)」が怖すぎて使えない。リアニメイトもいるし。
《内にいる獣》:安定しているけど、少々リスキー。押してる場面でそこそこ強く、押されている場面では超弱い。自分の土地にも使えるなど応用が利く。
また、これらの他にも、StPやPtE等、環境柄使われているカードは様々です。
これらのカードを頭の片隅に置きながら、この《突然の衰微》の効能について見ていきます。
メリット)
・「打ち消されない」点
より具体的には
a) 《相殺》
b) 《虚空の杯 / CotV》
c-1) 《秘密を掘り下げる者 / DoS》
c-2) 《ヴェンディリオン三人衆 / Clique》
c-3) 《聖遺の騎士 / KoR》
c-4) 《タルモゴイフ》
c-5) 《梅澤の十手》/《石鍛冶の神秘家 / SfM》
c-6) 各種剣シリーズ
d) 《霊気の薬瓶 / Vial》
e) 《ヴィダルケンの枷》
に、高確率で対処出来る事でしょう。
主にU系統のデッキで使用される致命的・要対処なカード群です。
《誤った指図》や《方向転換》等で対処されてしまうため僅かな隙はあるものの、それ以外はほぼ気にならない程に安心感のある実行力を持ちます。
a)はCTGやミラクルコントロールで用いられているため、メタデッキに対しても一定の効果を上げる事が期待できます。
CTGは環境にはそう多くはいませんし、ミラクルコンも搭載枚数はデッキによってまちまちであるため劇的な効果を望むべくもありませんが、それがデメリットと言えるものではないでしょう。
b)はスタックス系やMUD、各ストンピィ系などが搭載しているチャリスに劇的な効果を望めますね。
特に所詮1T目にX=1でチャリスを置かれてGGにならない所が良いです。
30人規模以上の大会にもなれば1人以上は見る事の出来るデッキタイプのため、デッキの受け幅の向上の一助になりますね。
C)は見て頂ければお分かり頂けると思いますが、現環境の主要な軽量フィニッシャー達です。
これらのフィニッシャーに「高確率で対処できる」と言う点については明確なメリットであり大きく勝率を上げる事が可能でしょう。
特にc-1、2はU系デッキのメインフィニッシャーであり、かつ飛行を備えている事から、非常に驚異な存在でした。
が、これらを確実に落とせることで相手のデッキの勝ち手段を明確に潰す事が出来ます。
同様に、c-5、6も~Blade系デッキのフィニッシャーみたいな物です。これらを落とせることも右に同じ。
RUGやUW、Bantの様なデッキに対して劇的に刺さる素晴らしい部分です。
d/e)は各デッキのサポートであり、a/b程致命的ではなくとも対処出来るに越した事は無いカードです。
d)は主に部族が使用しますが、これを安定して破壊できる事は、明確に展開速度に支障をきたす事に成ります。「数の暴力」が基本の部族の戦略を潰せることは大きいです。
e)はU系のヘビーコントロールが使用してきます。KoRぐらいのサイズなら問題ないのですが、タルモや《墓忍び》ぐらいでは結構簡単に奪われてしまいます。衰微のお陰で +1 → -1という戦力転換を防ぐ事ができるわけですから疑似的なアドバンテージさえ稼いでいると言えますね。
特にこれはTeamAmericaにとっては有難いことだと思います。まぁ、その以前に、枷で奪われる様な状況になる前に決着を付けろよ!と言う部分もありますが・・・。
Rockの視点から言えば、特にc)に働きが有難いです。
飛行系フィニッシャーは基本的にブロック出来ないので、それらを潰せればかなりゲームが楽になります。
地上戦では圧倒的に有利ですからね。
ただし、ハンデスの存在があるため、巧く立ち回ればクロックパーミッションは不利が付くデッキではないので、飽くまで有れば嬉しい程度ですね。
CTGやMUDも同じく不利が付くデッキではないので、こちらも同じ。
ミラクルコンへの勝率が僅かでも上げれる点は評価すべき点でしょう。
・「(土地以外の)パーマネント破壊」(万能除去)である点
そのままの意味です。
非常に丸いスペルであり、序盤に展開される大半のスペルパーマネントに対処できます。
これをデッキに取る事でデッキの対応能力はかなり上がるでしょう。
生物除去→突然の衰微
置物除去→突然の衰微
とする事でも簡単にデッキの対応力を挙げる事が出来ます。
・インスタントである点
カラーがBGであるため基本的にはSocタイミングで挙動を取るデッキでの運用が多くなります。
(例外はBUGぐらいでしょうか?結構構える動きが少ないTeamAmericaですが、その大半がピッチで動けるためここではカウントしません。)
同じインスタントでもUやR程にインスタントである事に旨味はありません。
但しIns≫Socあるのは明らか。
有るに越したことはありません。
生物主体のデッキならコンバットトリックにも使えます。
ハンデス、特にInsタイミングでハンデスをしてくるCliqueに完璧に対応できる点は評価され得る美点と言えると思います。
EverGreenの様なデッキ内でインスタントが少ないデッキではその比率を高める事でタルモの巨大化にも1役買えます。相手のデッキに依存しないで良い、と言い換える事が出来ますね。
・GBの2マナである点
基本スペルとして見た場合のギリギリの軽さを維持していると言えるでしょう。
テンポ系デッキにとってはそれでも些か重いかもしれませんが、費用対効果を考えれば文句は言えませんね。
中速系デッキにとってはもちろん気にならない重さと言えます。
DeedStillにとっては《瞬唱の魔道士 / SCM》でのFBが可能なギリギリ現実的なラインを維持しています。
Rock系は《闇の腹心》でのライフロスが少ないのが有難いです。
また、最近は高確率で採用されている《モックス・ダイアモンド》を併用すれば、これをキャストしながらその他の展開も可能になります。
新顔《死儀礼のシャーマン》との相性も良いです。マナ加速である点は当然として、「破壊」除去であるため、破壊された生物はライフに、本体は火力に転用できます。
素晴らしいシナジーですね。
「打ち消されない」と言うテキストを持つため、《方向転換》を除けば、ほぼ確実に2マナで機能するという安心感もありますね。
(《目くらまし / Daze》《呪文貫き / Pirce》に怯えて、展開を遅くする必要がありません。)
さて、ここまでが主に利点として捉えられる部分です。
次はその逆を見ていく事にします。
デメリット)
・4マナ以上に対処したいカードが多すぎる環境である点
KPのバランスを取るために刷られた文面「3マナ以下の~」と言う点が非常に悩ましい点です。
嘗てのLegacy環境なら
(゚∀゚)こまけぇこたぁいいんだよ!!
で、済まされた問題なのですが・・・今はそうはいきません。
中級スペルにもPWをはじめ、非常に強力な物が増えているため見過ごせない部分です。
ざっと見た中でもこれだけ不味い物があります。
《謙虚》
《神聖の力線》
《遍歴の騎士、エルズペス》
《大修道士、エリシュ・ノーン》
《精神を刻む者、ジェイス》
《全知》
《集団意識》
《墓忍び》
《グリセルブランド》
《騙し討ち》
《包囲攻撃の司令官》
《群衆の親分、クレンコ》
《煙突》
《ゴブリンの放火砲》
《殴打頭蓋》
《引き裂かれし永劫、エムラクール》
《ボーラスの工作員、テゼレット》
その他リアニ生物各種
その他PW各種
等、「Legacy環境での4マナ以上の基準は必殺級であること」を体現するかの如きカード群です。
処理できなければ文字通り「GoodGame(^^)」な可能性が高いでしょう。
そして、ここに挙げられるという事はつまり、それだけ現環境ではこれらのカードで溢れている(一部例外)という事。
衰微は汎用性は高いかもしれませんが、これほど多くに対処できないというのはかなり痛い点でもあります。
もう少し言えば、負けの要素を自分から作る 事になる、ということです。
・範囲が限定的である点
↓
余りに中途半端であり、どのカードの代わりにもならない点
上記の点と些か被る文面ですが、視点を変えて見た場合の難点。
汎用性が非常に高い除去であるため、当然採用したいのですが、上記に挙げられた対処出来ない物が多すぎて、単純にどれかの交換枠で入れる、と言う選択が出来ません 。
《剣を鍬に / StP》→リアニ生物等のファッテイへの対処、リムーブ、緊急時のライフ回復手段
Edict系 →「布告」という除去耐性のある生物への対処
《殺し》 →ピッチスペルでありテンポデッキのお供
《名誉回復》 →土地、PWまで割れる万能性
《クローサの掌握》→《謙虚》《全知》《騙し討ち》《殴打頭蓋》《梅沢の十手》《師範の占い独楽》等の 環境Tier1レベルのカードに確実に対処出来る。
先にも述べましたが、Legacyのカード群は積まれる明確な理由が其々にあり、簡単に放棄できるような働きではありません。
ここに挙げたものは除去としては一部ですが、それでも交換で採用するにはこれだけの弊害を乗り越える必要が出てくるという事です。
そうでなければ、これのための枠を作る努力が必要になります。
・《コジレックの審問 / IoK》との相性の悪さ
同じく「3マナ以下」というテキストを持つ、優秀なハンデス《コジレックの審問》との相性の悪さも問題です。
パーマネント破壊と言うベクトルが一緒である以上、仕事の範囲(この場合は対処できない範囲と言う方が判り易いかもしれませんね)が被ってしまうのは構築上の無駄が多いと言えます。
当然、カードの性質上、採用されるであろうデッキは類似傾向にある以上、よく吟味する必要があります。
大きな違い(カードタイプは別にして)は、審問は能動的パーマネント対処カードであり、衰微は受動的パーマネント対処カードであるという事。
審問は1マナと軽いが先出しかできない、衰微は2マナと重いが後出しでもOK(但し、コンボは無理ですが・・・)。
この違いをよく考えた上でどちらがデッキに合っているか調整する必要がありますね。
・《破滅的な行為 / Deed》との相性の悪さ
Deedは状況の回天(中・終盤)及び、状況の膠着・展開の抑止(序盤)が主な仕事です。対して、衰微は単体除去が仕事であり、除去としての役割は大きく異なります。
が、それでもDeedのX=~3・4である事が殆どであり、その除去範囲は被っています。
役割が異なるとはいえ、対処できる範囲が非常に似通っている以上、デッキの対応力の観点から同時併用は難しいのではないでしょうか?
(つまり、ここも、上記IoKと同じ問題を定義しているわけです。)
また、これは類似効果を期待される《仕組まれた爆薬 / EE》に対しても言える事です。
と言うよりも、Deed以上に1-1交換に成りやすいEEは、より効果が被り易く、共存はさらに難しいと思われます。
・《流刑への道 / PtE》との相性の悪さ。
:現環境で最も強悪なファッティである《グリセルブランド》の台頭とともに日の目が当たり始めたPtEですが、当然衰微との相性は悪いです。
衰微が除去出来ないファッティに対処できる代わりに、衰微自体のデメリットを肥大化させます。
つまり、衰微を採用するデッキはただでさえグリセルブランドに弱い構成になるにもかかわらず、PtEも積めないという事です。
気にするほど些細な事でもないかもしれないですが、相性を悪化させる可能性もはらんでいるという事です。
・レアである点
(ノ`Д´)ノ彡┻━┻
結果として効きにくい相手は?
・SnT系(SnaekShow/Onmi/Hivemind)
・Reanimate
・Dredge
・ANT
・Burn
・Lands/ScapeShit
・Goblins
・NicFit
・Zombardament
逆に高い効果が望める相手は?
・RUG Delver
・UWx Miracle
・Ux SfM (~Blade)
・Merfolk
・Team America
・MUD
・Enchantress
・Bant
・~Stompy
・Death & Tax
さて、カード単体の考察はこのぐらいにして、それでは実際に
・どのようなデッキに合うのだろうか?
・どの様なカードとの相性が良いのだろうか?
という事を見ていきたいと思います。
後篇に続きます。
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