マイナーカードの紹介《記憶の放流》
マイナーカードの紹介《記憶の放流》
マイナーカードの紹介《記憶の放流》
皆さん、こんばんは。しもべです。


 コンスピが発売しましたが、期待の《護衛募集員》と《聖域の僧院長》はどんな感じになるでしょうね。発売直後でかなりお値段が張っていますがいつもの事。問題は何時収まるかですね・・・。
《真の名の宿敵》なんかも発売当時は最高で10Kを超えた時期が有りましたからね。《ダク・フェイデン》等もその内収まりましたし、もう少々放置が個人的には一番と考えているのですが、GPとかで下手に結果を出すと下がらないからな~。
取り敢えずGPでどの程度D&Tが増えるかは見物ですね。



 さて全く別の話題ですが、以前RAVが発売したぐらいの時期では《不可思の一瞥》のお陰でLOデッキを使いたくなり、その後しばらくはLOデッキの事をあれやこれやと考えていた時期が有ります。《不可思の一瞥》はあの時何の実績も無かったくせに異様に高かったので結局購入はだいぶ後になりましたが、今はもっと高くなっていますね・・・。
そんな頃に見たのが《記憶の放流》でした。
《Memory Sluice/記憶の放流》(U/B)
ソーサリー
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分のライブラリーのカードを上から4枚、自分の墓地に置く。
共謀
 シンプルに1マナで4枚削る微妙なスペルなのですが、「共謀」を満たせるとなんと1マナで8枚削る事になりかなり効率よくなります。ここまで来ると強力と言えるレベルです。
 が、その時は実用的に運用するための「共謀」コストを満たす当てが有りませんでした。

 しかしここ最近LOデッキのリストや動画などを見ていると《躁の書記官》が使われている事が間々あり、それもそこそこの機能をしています。流石に《面晶体のカニ》には及びませんが、「昂揚」を満たせば中々の量を削れるようになります。最低でもCip+壁にはなりますしBeatdown環境なら壁の価値も有るかも?
《催眠の宝珠》が有るお陰で「昂揚」も狙えます。逆に「昂揚」を達成できずとも《記憶の放流》が入っているおかげで《躁の書記官》を採用するリスクも最小に抑える事が出来ますし。

 元々LOデッキには《面晶体のカニ》を用います。
それに加えて《瞬唱の魔道士》や《ヴリンの神童、ジェイス》等も付け加える事も普通であるため、《躁の書記官》も含め10枚以上の生物の採用も狙えそうです。
これだけ有れば「共謀」のコストも十分実用的になるのでは?とその時にふいに思い付き、久々にLOデッキについて、このカードを思い出した次第です。
ScMはFbで《記憶の放流》の再利用が出来ますし、「共謀」コストにも充てる事が出来る。1枚で16枚削れるとしたら十分価値に繋がるはず。

 生物除去に弱くなるので軸をずらした戦いが出来なくなるのは気に掛かります。同時に自分を対象に《墓所への乱入》を使う事も出来るようになるんですよね。上述の通り生物を壁にも出来る訳で。《記憶の放流》がその真価を発揮できるのなら《墓所への乱入》もやはり使いやすくなるし。
Beatdown環境でなら相応の筈。
また、他の動画では《氷の中の存在》なんかを使っている物も有りました。あれもブロッカーになり、最終的にはクロッカーになれる点を考えると悪くない。


 やっぱりMtGはデッキを考えているときが一番楽しいなぁ~。
こんな感じで久々にマイナーカードの紹介をしてみました。



P.S.
海外でModernのGPが3つも同時期に行われたそうです。
PTでの採用がなくなる以上GPと後は各地のSCG等の大型ショップがどこまで大会を開けるかで環境の精子が決まってくると思われますが、こんな風に3つも同時期に開く必要は有るんですかね?
瞬間的なインパクトは有りますが、年間で分けた方が継続的に目に留まるし、プレイヤーも参加しやすいと思うのですが。
何か別の思惑が有るんでしょうかね。


あのカードは今)懐古:《爆片破》
あのカードは今)懐古:《爆片破》
あのカードは今)懐古:《爆片破》
皆さん、こんばんは。しもべです。

 Legacy10年を記念し、懐古企画の第3弾。
今回の御題はコレ↓です。
《Shrapnel Blast/爆片破》 (1)(R)
インスタント
爆片破を唱えるための追加コストとして、アーティファクトを1つ生け贄に捧げる。
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。爆片破はそれに5点のダメージを与える。

:今回のカードは親和誕生に寄与したこのカード。
そして本日まで行われていたGP神戸(Modern)にて、[遊星]さん謹製の「ハサミ神話タルモバーン」にて使われていたカードです。せっかくですので時流に今回は合わせてみました。

 MRD期に大量に刷られた「親和」カードを軸とした強力な軽量Atf群を大量に積んだ「親和/Affinity」デッキはLegacy初期の主勢力の一つでした。
その中でこのカードは僅か2マナで5点と言う超高火力は多くの人の度肝を抜き、Affinityの目玉の一つでした。
 0~1マナで出てくる2/2の《金属ガエル》や2~3マナで出てくる4/4《マイアの処罰者》に大ボスたる《電結の荒廃者》、1マナで2ドローの《物読み》、そしてトドメの《爆片破》が強力で、殆んどのパーツがStdからの流用でした。がそれでも、初期のLegacyでは十分なサイズ/速度を揃えた強力なBeatdownデッキでした。
 私の様に盤面固めて安心してたら《爆片破》×2でライフを吹き飛ばされたwwなんて方も相応にいるのではないでしょうか?
Dredgeには及びませんが、メイン戦で非常に強力なデッキとして一定の勢力を誇っていました。


 が、このカードも今見る事は皆無です。


 このカードが消えた原因もいくつかあります。
転機の一つは《タルモゴイフ》の存在でしょう。それまでの圧倒的なマナレシオと環境最大級で在ったサイズの生物が、この2マナのカードで完全否定されてしまいました。この頃から「親和」要素は減少の一途を辿ります。同時に回避能力を持つ小型を優先しがちの傾向が強まっていきます。

 次にセットごとに出る新カード郡で、もれなく除去の冬が到来した事。
これは全Beatdownが一様に被害を受けていましたが、Atf対策まで重ねて引っ掛かるこのデッキは他のデッキよりも遥かに厳しい状況に追い込まれました。

 その結果、搭載されるカードの優先事項が変更された事もあるでしょう。
タ行やそれに続く生物の存在や上記の通り除去過多の時代に晒された性か、2つの優先事項がAffinityに生まれます。
 一つ目は速度よりもカードアドを優先する事。これは《Berserk》や《憎悪》等の一撃必殺系が環境から姿を消したのと同じで、リスクを背負ってもそれが殆ど結果を伴わなくなった事から、より安定して相手の妨害にも耐え得るアドの獲得と安定性重視の戦略に舵を取ったという事です。最たる例は《石鍛冶の神秘家》と《ボーラスの工作員、テゼレット》でしょう。
 この速度も軽さも存在しないアドとKP重視のカードが結果的にデッキパワーを底上げし勝率を上げます。打点もカードの供給でも、冬の時代に耐えうるカードとして重宝されました。

 二つ目が点の存在に面の戦略を採るようになった事です。
これも除去過多に備える為で《電結の荒廃者》や《頭蓋囲い》に頼るのではテンポロス/アドロスが大きかったためです。ALAにて《エーテリウムの達人》、SOMにて《刻まれた勇者》と言う面戦略を得ます。勇者は一見一点突破系カードですが、「金属術」と言うカード枚数を使うれっきとした面戦略のカードです。これにより一つ所に頼る事の無く、それでいて点の突破も持つ面と点の融合したデッキが生まれるようになります。最近では個々を更に軽量面展開化した《信号の邪魔者》+《鋼の監視者》と言うカード群が中心です。
 また、前述のように回避能力持ちが優先されるようにもなります。
特に《大霊堂のスカージ》の存在が大きいですね。


 こうした安定性と広がりの戦略の中で、ハイリスクローリターンになってしまった《爆片破》は他のカードと同じく姿を消していきました。また火力に関しては《感電破》の登場も痛手でした。
「金属術」と言う面戦略であるカードですが僅か1マナで4点と言うハイリターンなカードの登場に依り、爆片破の存在は更にリスクが際立つようになります。同時に、このカードは火力と言うカテゴリーこそ同じであるものの、生物除去に容易に使用できるという圧倒的な利点がありました。《秘密を掘り下げる者》をはじめとした軽量生物軍の登場で、生物に対応しない事へのリスクがかなり高くなりました。ほぼトドメにしか使えない《爆片破》では環境的に役者不足なのです。
 戦略面でも使い勝手でも異なり、上位交換と言う括りにこそならないものの、それでも爆片破が勝る部分はほぼなくなります。

 そしてその《感電破》さえ今のAffinityに入るかどうかわからないという状況です。
今のAffinityはアド重視、面展開重視、速度重視など様々な形に枝分かれしており、何れが主流と言う形は有りませんが、それでも火力と言う部分の要素は少なくなっています。その要素自体の旨みが減衰している状況では《爆片破》に日の目が出る事は無いでしょう。

 そしてその潮流はAffinityと言うデッキ自体も同じです。
対Comboに優位性が無い上にフェアデッキにも一定のリスク(対Atf)を背負っているデッキにも関わらず、他の圧倒するだけの魅力が無い。速度はLegacy内でも上位を張ることは間違いないのですが、他の追随を許さなかった支配的なかつての面影は既に存在しません。AtfデッキはPainterやTezzereterというComboやControlへと引き継がれ現状に至ります。また、Affinityと言うデッキも「親和」要素はほぼ消失しRobotsと言う名前が出るような存在しなってしまっています。
 嘗てのAtfデッキというその異色存在感と支配的な膂力と速度で多くのプレイヤーを魅了したAffinityは、そのKeyカードだった《爆片破》の退場の後を追うように環境から姿を消そうとしています。
環境の彩りだったのが悲しいですね・・・。



 因みにM15にて刷られた《アーティファクトの魂込め》のお陰でModernにてAffinityは息を吹き返しています。それまでも相応に強力でしたが、一層の強さを発揮しつつあります。。
それは非常に嬉しい事ではありますが、私には2マナで5点に2枚のカードと言う観点から、何処かこの魂込めに《爆片破》の面影を見てしまいます。まるで時を経て形を変えて黄泉返った様でなんとも言えぬ感覚に誘われます・・・。

 Legacyから舞台を移しModernにてハサミを使う事で親和はメタの上位で更なる力を得る事になります。その上で前述のハサミ神話にタルモと火力を加えたデッキに《爆片破》は使われています。
転生した新たな5点火力とともに再びプレイヤーを焼き焦がす様にこれからは期待したいですね。
もう見えぬであろう別世界での活躍の期待を重ねながら。




 P.S.
《爆片破》にはイラストが2種類ありますが、個人的には吸盤の方が好みです。
FTの「小物で、大怪我」と言うのが正にプレイヤーの行動そのままで、且つ相手への皮肉としてピッタリですから。



あのカードは今)懐古:《Sinkhole》
あのカードは今)懐古:《Sinkhole》
あのカードは今)懐古:《Sinkhole》
皆さん、こんばんは。しもべです。

 Legacy10年を記念し、懐古企画の第2弾。
今回の御題はコレ↓です。
《Sinkhole》 (B)(B)
ソーサリー
土地1つを対象とし、それを破壊する。


:MtG黎明期を代表するカードの一つ。
プレイ年数の短い人は知っているかどうかも怪しい古のカードの一つにして最強の土地破壊スペル。且つコモン。


 MtGの歴史上において「土地破壊」と言うのは常に存在してきたアクションの一つです。ゲームの停滞化を招き、上手い構築の為されたランデスデッキは相手をサンドバックにする事から最も嫌われるデッキの一つです。近年はそのためか著しくKPの低下を施すと言う修正が成されました。
エキスパンションに目ぼしい土地破壊が1枚も無いなんて最近ではよくある事です。
 が、中期から遊んでいたプレイヤーにとっては今でも馴染みの有るカード/デッキではないでしょうか?
現在のLegacyにあるManaDenial戦略(土地を絞めつけている間に速やかに相手を殴り倒す)と言うほど洗練されておらず、真綿で首を絞め続ける様な厭らしさは一度味わったら忘れられないはず。かく言う私もノーガードの相手にローキック連打をする様な戦法を嘗て採っていたことがあります。

 今は4マナが土地破壊の基本ですが、その頃は3マナが基本であり、そしてこの《Sinkhole》は僅か2マナで制限なく土地を破壊するという強力無比なカードでした。
それはLegacyに於いても変わりの無い強さを発揮し、今よりも低速だった過去環境では十分な速度を保っていました。

 環境最高の土地破壊カードは《不毛の大地》で、汎用性の高さでは《もみ消し》が存在をしていましたが、制限なく後腐れの無い強さが有るのはこれだけ。
土地1枚の重みが大きかったころにはよく渋面を拝んだはず。
BBと言う色の拘束上それほど多くのデッキで扱われていたわけではありませんが、それでも今より遥かに多くのアーキタイプが存在した時代でした。
主に黒単Weenie、Deadguy、Eva Greenなどで使われ、そしてTeam Americaと言うデッキで戴冠を得ます。


 David Gearhart氏のジョークによって生まれたこのデッキはUBの2色で《不毛の大地》《Sinkhole》《根絶》の4積12枚と言う狂気的な構成から《根絶》→《もみ消し》+G(=《タルモゴイフ》)へと姿を換えLegacy最狂の土地破壊フェアデッキとして生まれました。
土地を絞める事に特化した仕様は多くの人間の「こんなの真面に回るわけね~だろw かすデッキだわww」と言う色物予想を裏切り、環境を瞬く間に染め上げ一大勢力を築きあげます。
それまではついでの一環(添え物)で行われていた土地破壊をメインに添える事の強さを認識したプレイヤーも多いはず。

 が、この形も長続きはしませんでした。
《Sinkhole》の効果は疑いようが無いものの、賞味期限が短すぎる(効力が不安定)という負の側面を抱えていたのです。結局より丸く、それでいてアドの取れるカードである《Hymn to Tourach》にこの枠は取って変わられることになります。
 またこの時期から他のデッキでも同様の動きが始まります。
環境の高速軽量化(タ行+α)が始まった事の煽りも受け、他のデッキでもHymnが優先されるようになります。
 また《聖遺の騎士/KotR》の登場に依って、土地破壊をするなら「KotR→不毛連打で良いよねw」と言う現実が普及します。こうしてNew Horizonへとデッキコンセプトは移行していきます。
そして完全のBUGは、そこからTeam Portugalと言うControl系へと変貌し、そのコンセプトは失われ、最高の1マナ生物の1枚である《秘密を掘り下げる者》の登場と共にBUG Delverと言うデッキへと昇華され、その狂気は完全に消え去ります。


 現状、真面に土地破壊特化と言う戦略を採っているのはPOX程度であり、この《Sinkhole》が使われるのもこのデッキぐらいなものです。
登場期に比べ更なる環境の軽量化が起こり、追い討ちをするかのように《死儀礼シャーマン》と言うカードの存在により土地破壊と言うコンセプトそのものが破綻する事になりました。
 残念ながら、ローテーションの無いLegacyに置いてこれらが禁止カードにでも指定されない限り《Sinkhole》が日の目を見ることは無さそうです。
 今でも最強の土地破壊スペルは何か?と聞かれれば、枠に入れてもイイか微妙な《もみ消し》を除けば、間違いなくこの《Sinkhole》の名前が挙がる事でしょう。
が、その最強スペルであってもほとんど使われないLegacy環境。
それが如何に極限なものかという事がよく判ります。

 尖ったコンセプトのデッキが大好きな私としては初期の一点突破其の物であったTeamAmericaが大好きでした。
具体的に言うとアメリカ組むために《Underground Sea》を購入したほどです。
それを思うと只々悲しいなぁ・・・。



 P.S.
 因みにSinkhole/シンクホールは、直訳固有名詞が無い事から判る通り日本にはほとんど馴染みの無い現象で、存在自体知らない方も相応な数ではないでしょうか?
私は全く知りませんでした。
参考にしようにもMtGにイラストでは「小汚い地面がひび割れて窪んでいる」程度の事しかわかりません。
海外ではドリーネの名称でも知られており、日本語では陥没穴や落込穴と言うそうです。
 主な詳細は
「突然地面が陥没し、地表に大きな円形の穴があく現象。

主に、地盤の侵食などにより地中の空洞化が進んだ結果引き起こされると考えられている。酸性雨などが地下に浸透すると、酸に溶けやすい性質の岩盤が溶かし流され、結果として地下に巨大な空洞ができる。ある程度空洞が大きくなると、地表を支えることができなくなって崩落する。」
という物だそうです。
参考に乗せておく画像3を見ると、如何に怖いものかがよく判ります。
はっきりってカードのイラストから受ける印象と違い過ぎて只々唖然とするばかり。もうこれ土地2~3枚ぐらい破壊できそうな勢いですよねww



あのカードは今)回顧:《冷淡なセルキー》
あのカードは今)回顧:《冷淡なセルキー》
あのカードは今)回顧:《冷淡なセルキー》
みなさん、こんばんは。しもべです。


 Legacyも成立からもうすぐ10年。
日本でのGP開催も決まり益々盛況になる事が期待されます。
が、人に歴史ありと言う様に、歴史に人あり。MTGならば歴史にカード在り。
黎明期から随分と環境も様変わりしましたが、その中で様々なカードが使われては消えていきました。
嘗て一時的に人気を博し又は、いぶし銀の活躍で使われて、そして今はその面影も無いカード群をノスタルジアと共に振り返って行こうかなぁと思います。

 単純な上位交換の出現で枠から締め出されたカードでは無く、環境の変化に伴い消えて言ったカードを挙げて行きたいですね。
悪まで独断と偏見による選考です。
個人的には、そういえばあんなカード在ったなぁwwと思いだしていただければ十分です。個人の記憶件感想ですので市場で間違っているかもしれませんが悪しからず。

《Cold-Eyed Selkie/冷淡なセルキー》 (1)(U/G)(U/G)
クリーチャー — マーフォーク ならず者
島渡り
冷淡なセルキーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたはその点数に等しい枚数のカードを引いてもよい。
1/1

:第一回はこのカード。
EVEにて刷られた知恵の魚。
3マナにしてパワー1と極めて貧弱ながら「島渡り」による高確率な渡りとそこから生まれる安定したドローが売りのカード。
環境が今よりも低速で且つUが支配していた頃、アドを継続的に取る手段としてCTG、Bant、Merfolk、時にMaverick等で使われました。

 最初の頃は全く見向きもされない屑カードの1枚でしたが、[ネタ蒔き時]さんが全盛期の頃(大会に積極的に出ておられた頃)の0X年代後半に提唱され、その力を証明します。
 前述のように環境にマッチしており且つ止める術も無ければ、溢れる程のアドを生んでくれました。またCTGでは守る手段が豊富で、BantやMerfolkでは強化する手段(《遍歴の騎士、エルズペス》《アトランティスの王》etc)があったため一撃で膨大なアドを生み出すその快感に酔ったプレイヤーも多かったようです。
一時期は本当によく見ました。
 また、これにより[ネタ蒔き]さんが挙げるカードの相場値段が一時的に上昇するという現象まで起こるようにもなりました。

 が、このカードは12~13年ごろから急速に表舞台から消えていきます。
明確な理由は不明ですが、
・環境の高速化
・除去過多の時代の襲来
・それに伴う3マナにしてアドも取れずパワーも低いカードへの評価の下落
・単純に扱いやすい完結した高KPカードの登場
等の複合的な物でしょう。
カード一枚一枚により大きな決定力かアドが重視されるようになり、こんな悠長なカードを使会っていられなくなったという事でしょう。
今でも「セルキー→エルズペス→4点パンチ!!+4点ドロー!!」が弱い動きであるとは思いません。
が、殴るなら《秘密を掘り下げる者》を使うし、3~4マナ域なら《真の名の宿敵》《断片無き工作員》や《精神を刻む者、ジェイス》を選択するプレイヤーが大半でしょう。Comboなら《実物提示教育》が有りますしね。

 未だ相応のポテンシャルを覗かせながら、しかし今後活躍の場があるとは思えない空しいカード。
環境により表舞台から姿を消した哀しきカードですね。


 因みにこの《知恵の蛇》の系譜ですが、高速環境である現Legacyでは厳しいカードタイプである事は事実ですが今現在も細々とした活躍をしています。主に使われているのは《トレストの密偵長、エドリック》でRUGや4c Delverに1枚挿しとして使われており、特に《若き紅蓮術士》と相まって大量のTokenから多量のダメージ+多量ドローをする様は嘗てのセルキーを思わせる物が在ります。


Legacyの歴史あり。


お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索