皆さん、こんばんは。
しもべです。


 朝日新聞1/29日付の朝刊の社説:オピニオンコーナー「安倍政権 米国から見ると」を読みました。
これは米国に在住して20年以上たつという作家の冷泉彰彦氏へのインタビューであり、安倍政権に対して米国はどの様に捉えているのか?という物でした。


 内容としては中々面白く、米国側からの意見と言うのは実に新鮮でした。
日本内から見た米国の意見と日本外から発信された意見の差という物は大きいな、と。

 基本的には、批判的な論調であり、疑問や懐疑を投げかけている物が多かったですね。
「賭博的な経済対策」と言うのはよく言われる批判なのでそれ程意外感はなかったのですが、なるほどと思える物もあり、
特に、
・米政府が安倍政権に感じているのは「解かりにくさ」だ。
としたものです。
項目として挙げれば

- 戦後、対米友好な政権には米国の経済政策に則った施策が多かったが、今の政策にはそれが見られない。
- 経済政策では(効果があるとは思えない事が散々証明されてきた)左派的政策なのに、歴史認識では一転右派だ。
 政権の姿勢が見えない

 という物でした。
う~む、成る程、と。
確かに、今は米経済に擦り寄った政策ではないので親米とは見えにくいとも言えます。
そもそも自国の経済回復を優先してるんだから当たり前だろ!と言う意見はここでは置いておきます。民主党とは異なり、親米も強く意識するとした首相の発言からはある意味乖離もしていますね。
ただ、これは恨み節的な物にも聞こえますね。
自国第一が批判される謂れは無いのですから。単純に自民政権への期待が空回りし、戸惑っているようにも見えます。

 また、政策ごとに姿勢が異なるのはそんなに可笑しなことか?とも思ったのですが、政権の姿勢としての一貫性は確かに薄らいでいるようにも思えますね。
同盟の一翼を担う国家がぶれている様に見えては不安に思うのも致し方ないのかもしれません。


兎にも角にも、フィルターを通すかどうかで随分意見は変わるのだなぁと変な感心をしてしまいしたw


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 また、歴史認識と言う点で気になったのは

「米国では戦前と戦後では日本は全く違う国だと思っている」
「独も戦前のナチスと戦後とでは大きく異なる」
 ↓
「なぜ日本は歴史認識においては右派なのか?」
「日本では右派・左派に関係なく一貫性を保とうとしている。この感覚が米国人には判らない。」
という物でした。


 これを読んでいて先だって読んだ以下の記事を思い出しました↓
独がナチス犯罪に「永遠の責任」…日本と対極の姿=韓国
サーチナ 1月28日(月)13時44分配信

 ドイツ現地紙は26日、同国のメルケル首相が国際ホロコースト記念日(1月27日)とアドルフ・ヒトラーが政権を掌握した日(1月30日)を前に、「ドイツは第2次世界大戦とホロコーストなどナチスの犯罪に対して永遠の責任がある」と述べたと報じた。

 韓国メディアはこの報道を相次いで取り上げ、日本政府の態度とを比較しながら「両戦犯国の姿はあまりに違う」などと伝えた。

 メルケル首相はホームページで、「私たちは歴史を直視し、どんなことも隠したり押しつけたりしてはならない」と主張し、ナチスの犯罪行為に対して「永遠の責任」があることを明らかにした。

 韓国メディアは、メルケル首相の発言を報じながら、「一方で日本の政治指導者は、懺悔(ざんげ)や謝罪どころか軍国主義の亡霊を生き返らせている」とし、自民党幹部による「竹島の日」(2月22日)式典への出席などを非難した。

 憂慮(ゆうりょ)すべき日本の問題点として、平和憲法の修正、河野談話・村山談話など歴史の反省に対する修正、戦犯企業の強制徴用の賠償拒否などを指摘。日本とは異なるドイツの態度として、ユダヤ人博物館をベルリンに建立、ナチスの誤りを教えない教師を処罰、戦犯企業が数度に渡り謝罪していることなどを挙げ、日本とドイツを比較した。(編集担当:新川悠)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130128-00000027-scn-kr
 
取り敢えず、この記事に対する賛否は横に置いておきます。


 少し解かりにくいのですが
言われてみると確かに
日本と言う国家は連続性その物または繋がりを大事にしているのだろうな、と。
「今も昔も自分・自分たちなんだ!」という事が考え方の底にあるのかもしれません。
対して、外国では「それはそれ、これはこれ」「昔は昔で、今は今」と言う考え方なのかもしれません。
今と過去とを切り離して考えるのが習慣となっているとも言えるかもしれません。
サーチナ記事のコメントに
「独逸は過去の悪事の責任をナチスに押し付けてるだけ。今のドイツには関係が無いと言ってるだけだ。」とするものがありますが、その通りなのかもしれません。
悪く言えば責任転嫁なのですが、だからこそ過去を直視できるのかもしれません。
ナチスドイツと今のドイツは異なる国家なのだ、と。
これは日本が戦前と戦後では別の国家として見られているという点でも見る事が出来ます。

 移民移住を繰り返し、歴史上の於いて常に国家(領土)も変遷・変化を繰り返してきた人々にとっては、今を重視するのが考え方なのかもしれませんね。
 対して、日本は過去も現在も常にこの狭い島国で生まれ育ち死んで行ってます。必然的にに大きな変化に乏しく、故に過去現在未来への連続性を重視するようになったのかもしれません。


 この考え方の差が良い悪いというのではなく、こういう違いがあるという事を認識しておくと物の見え方も変わってきますね。
非常に面白かったです。



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 私は常日頃なぜ日本は過去の戦争行為を謝罪しないのか?疑問に捉われます。
(日本政府は未だ戦争行為に対する公的な謝罪をしていません。)
大半の国民で過去の戦争行為を是とする人はいないでしょうし、少なくとも未だそのような方にあった事はありません。
教育の現場でも、基本的には「過ち」として教えられ、故に「二度と戦争しない」「憲法9条は大切」と教えられると思います。教育の指導方針もそれに沿っていますしね。
そして、日本政府はこれまで戦争被害国、主にアジアに対して、ODAを一とした援助を続けてきました。
にも拘らず何故謝罪だけは出来ないのか?と。
最も先にすべき事ではないのか?
疑問で仕方ありません。
 
 が、これも考え方の違いなのかもしれません。ルーツ・歴史を重視するからこそ過去の過ちを認められないのかもと。
戦争と言う過ちでさえ大事にしているのかもしれません。
「今の俺からすると、過去の俺はバカだった。あいつは俺じゃない!」なんて厚顔無恥な事は言えないのかもしれません。



 ただ、違う見方からすると
靖国参拝や従軍慰安婦なども異なる認識だと。
戦争謝罪云々とは別、それを囲っているのではなく、単純に認識がずれているのでは?とも思うのです。

 靖国参拝は、他国からすると戦争をした人間どもを敬う卑下すべき行為、と捉えられていますが、私個人としては戦争に参加した、加害者側の被害者の達の鎮魂を祈っているのだと思います。
(まぁ、お偉い方々を中心に祀られているので勘違いされても致し方ない部分はありますが)
戦争なんかしたくなくとも強制的に参戦させられ散って行った人々への懺悔である(又はそうあるべき)と認識しているので、寧ろ心情としては軍国主義とはかけ離れたものであると思っているのですが・・・。
認識の違いとは恐ろしい。
(ただ、喩えそうであってもそれはそちらの事情で一方的に殺された方としては、関係なく嫌なんだ!と言う意見もあるでしょうね。)


 また、慰安婦問題は、米国の立場としては
「強制だろうが無かろうが、売春自体が女性の人権を無視した不当行為だ。それはダメだろう。」
と言っているようですが、
売春婦と言う職業が存在していた事実を無視するべきではないかと。
 売春とは古代ギリシャの時代から存在する女性の職であり、相応の賃金を得られる職でした。
よく非人道性で奴隷などと一緒にされますが、高給を得られる点・相応の自由がある点で大きく異なり望んでなる者も相応にいました。
戦争当時も当然存在し(と言うか今も在りますしね。)、そして当然給金も支払われていました(下手な軍士官よりも遥かに高給貰ってたという話も)。
確かに、非人道的で許される行為では無いとは思いますが、
奴隷とか強姦とか迫害・虐殺、そういう物と一緒くたにするものでは無いと思うのです。
そういう意味で職として存在していたことを鑑みて発言してほしいと思うのです。


 まぁ、だからと言って売春行為を認められるかは別の話ですがね。
高金貰ってたと言っても、強制的に連れて来られた人もいたでしょうし、食い扶持を稼ぐために望まぬまま家族から放り込まれた人もいたようですから。
許されない行為であるのは事実。
日本政府が拘る「強制」「非強制」は確かに別の話でもあるのでしょう。



 それで、最後に戦争謝罪や慰安婦問題などを取り上げると必ず出てくる「賠償問題」ですが、私的結論としては「必要なし」です。
何故なら今まで散々、ODAを一とした資金提供・環境整備もしてきましたし、食い扶持も提供してきました。
金のなる木(技術提供)まで与えてこれ以上何をしろというのか。
だから賠償の責任は無い。
だからさっさと謝罪だけして遺恨に片を付けろと言いたいわけです。


 因みに、韓国はうるさいですが
日韓基本条約における
「財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定」
において約11億ドル(当時の韓国の国家予算の約3倍、因みに1$=360円時)の「経済協力金」を支払っています。
韓国ではこれを「財産と対日請求権問題解決における賠償及び補償と経済協力」とまで言ってるんですから尚更賠償する必要は無い。
 また、この協定において、「締約両国・及びその国民が権利・利益・財産に対する国家間請求権を完全に解決される」とされ、請求権は放棄されているので、慰安婦云々も含めた賠償請求の権利は必要なし。
この資金が補償金に僅かしか使われなかったのは韓国政府の問題だし、慰安婦も含め保証がされなかったのも韓国政府が対象外にしたから。
日本に責任はこの点については無し。

 2012年に韓国最高裁が「1965年に締結された韓日請求権協定は日本の植民支配の賠償を請求するための交渉ではないため、日帝が犯した反人道的不法行為に対する個人の損害賠償請求権は依然として有効」とかトチ狂ったこと伸びてますが、
上記の通り、韓国側が国会で過去に「賠償及び補償と経済協力」と言っているので取り合う必要性は全くなし。
所詮、韓国側も数字取りのためにやっているようなものですしね。

 これを無くして請求をするのなら、まずこの協定を白紙化したうえで協定時の協力金及び、今まで支払ったODAをはじめとした援助金を全て返還したうえで話をするべきでしょう。
当然現在の価値換算で。
それ無くして彼らに請求を口する権利は無いでしょう。少なくとも、先にこの協定に合意した韓国政府に責任を取らせるべきであると考えています。





 なんか、色々と書いていたら随分と遠くまで来てしまいましたねw
今回の事で最も書きたかったのは
「日本と外国における過去と今の認識の違い」
なのですが、なんか端役みたいになってしまいましたねw
しかし、改めて価値観はここまで大きく異なる物なのだと驚かされます。
欧米の様な、認識としては隣人の様な存在でしたが、それでも違いという物はある物ですね。




コメント

needless@TSR広報担当
2013年1月30日6:38

この問題についてはどこまでも平行線になる感じなので、
コメントはあえて控えさせてもらいます。

エスパー王子
2013年1月30日10:12

興味深い記事でした。解っていても認識の違いを埋めるのは難しいですよね。特に韓国とは一生理解し合えないと思いますww

しもべの一人、H
2013年1月30日11:26

>needless@TSR広報担当 さん
コメントありがとうございます。

平行線ですか。
分かり合えない可能性があるというのは悲しい事ですね。
しかし、逆に議論の余地があるというのは喜ばしい事なのかもしれませんね。

>エスパー王子 さん
コメントありがとうございます。
価値観の違いというのは難解ですね。
ただ、韓国・中国の問題は政府により情報統制・コントロールがされている事も大きな要因の一つでしょうがね。それを差し引いても、と言う部分がある事は否しませんが・・・。

needless@TSR広報担当
2013年1月30日12:10

敗者と定義されている存在に検証という行為の自由が許されていない以上、
戦争責任とか論ずる意味ないっす。

そういう意味での平行線です。

しもべの一人、H
2013年1月30日23:02

>needless@TSR広報担当 さん
なるほど、それは確かに。
戦争敗戦国である日本が弱い立場にあるのは事実ですね。
が、こちらが論ずることを止めても向こうは主張を止めてくれない(というより向こうにこそ必要不可欠。賠償云々ではなく政治手法として)ので、ノーガードという訳にもいかないんですよね。
嫌でも議論の相手はせにゃならぬ。

needless@TSR広報担当
2013年1月31日0:02

いや、そーじゃなくてですね・・・(汗

その当時の時代背景やら国を取り巻いていた情勢を考えずに、
盲目的に「悪かった」と判断するのが既に間違いです。

自分はあの戦争に関しては、間違った決断だったとは思いませんし、
謝罪をしなければいけない相手が存在しないと思ってます。
(もちろん、マイノリティーであることは認めますが)

少なくても、どっかのクソ3国以外に謝罪を要求してくる国は存在していませんし、
戦後何年立ってると思います?
少なくても、7世代にわたって攻められ続けるほどの罪ってあるんでしょうかね?

そこらへんを僕は平行線と言ってるわけです。

しもべの一人、H
2013年1月31日12:02

>戦争は~
 う~ん、そこまで踏み込んでしまうんですか・・・。
 私も時代背景は鑑みるべきではあると思います。慰安婦云々でも触れてますしね。
が、やはり戦争自体は忌避すべきものではあると思います。
自衛手段として考えれば卑下すべきとまでは言いませんが。


>謝罪
まぁ、この点については同意します。
戦後65年?でしたか。
戦時を経験した世代や、その直次世代ならともかく、その次以降の世代に文句を言われる筋合いは無いですよね。
お前ら特に苦労してない上に、散々金貰ってんじゃん、その金でお前らの経済成長してきたんじゃん、と。
その上、朝鮮戦争時にはその怨敵国に我先に逃げ敵といて・・・。
今の反日を中心的に叫ぶ世代は経験的怨恨が存在しないのに、声高に反日を叫ぶのが我慢ならないんですよね。これも反日教育と外的政策のたまものですね。

 ただ、この点については未だ「日清戦争の遺恨を晴らす!」なんてほざいている国々ですからもうどうしようもないかと。
そして、未だ存命の戦時世代に対してはやはり大きな顔は出来ない、と言うのが私見ですね。


 時間の流れの中で罪も記憶も風化する。
そのことを判っているからこそ、さらに過激に叫ぶのかもしれません。

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