皆さん、こんばんは。しもべです。


 先日、採決が行われた安保法に関して、と言うよりその背景事情について思う所があるのでつらつら書いて見ます。
結構口が悪いので悪しからず、ご了承のほどを。



 日本が軍事的側面に置いて強化・増強されること自体には私は反対はしません。
平和至上主義者達は「自分たちが武器を持たなければ襲われない」と思っている人もいるようだし、「日本が武装する=戦争をいきなりどこかに仕掛ける」トリガーハッピーなアホ国家だと考えている節も有る。
頭が痛い。
非武装の人間が襲われないなら、世の中に犯罪等在るはずも無いというのに・・・。
(そもそも日本は戦後から今までずっと、武装してきたし、個別的自衛権に基づき「戦争を行える国家」だったというのに・・・。)
 そして戦争の立場も昔とは異なる。先進国の国際的な繋がりがみつな現状絶対的に明確な自衛以外に置いて戦争と言う「経済行為」は成り立たない。寧ろ周りから経済制裁を受ける恐れもある。また日本の様な単一民族かつ技術立国は余所に下手に領土を持ったとしてもそれが国家の富に繋がるという事は難しい。
旧時代思想の国家を除き、先進国に置いて戦争を積極的に行う利益が無い。国家の防衛を除いては。

 にも拘らず
武装化は軍事国家への道を辿る!
他国と戦争を起こす危険がある!!
等とのたまっている・・・。
 因みに、自分の両親はどちらもそこそこの私大の法学部卒だ。憲法・法学については確かに門外漢よりは詳しい。非常に個人的な意見だが、相応に良識を備えた人間だとも思っている。
が、その父のセリフが「平和憲法は日本の唯一の武器。もし他国に襲われそうになっても非武装で「貴方は私を襲いますか? 私は戦争を望まないし、貴方を傷つける気もない。それでも襲いますか?」と、そう問えばいい。」だ。
これが日本を支える社会人の一実情だと思うと頭が痛くなる。
それが通じるのは相手が自分と同じ価値観と良識を共有している場合だけだろうに・・・。
 近い例で言うなら、尖閣諸島をめぐる中国との諍いはどうだったろうか?
もっと近い所で言えば小笠原諸島近辺の珊瑚を乱獲して行った中国の民間船はどうだっただろうか?
無抵抗・非武力を貫いて何かいい事はあっただろうか?
結果として一方的ないちゃもんをつけられた上に、レアアースを人質に経済戦争を仕掛けてきたではないか。後者にしても自国近海の自然保護を優先した結果ではないか。
しかもこれらは民間船が行っている点は事実でありながらも、中国は暗黙の事実として民兵として彼らを動(誘導)かしている。

 イラク戦争にしろISIL紛争にしろ日本が行っていたのは、後衛支援もあるが、現地住民や難民の支援が主だったはずだ。
それで日本は何の害も受けなかったか?
結果は知っての通り。
当たり前だ、価値観を共有していないのだから。こちらの理屈は相手が理解できる土壌と意志があってこそ通じる言語だ。相手の気分次第だ。近寄らなければいいという話ではない。それは目に留まりにくいだけで、彼らがこちらに仕掛けて来ない理由にはならない。
当たり前だ。
彼らは戦争を経済行為としているのだから。


 そしてそれぞれの国家・組織の在り方も日本の戦後とは異なってきている。
中国が親日国だったのは20年以上昔の話だ。彼らは積極的に外敵政策を推し進めている。利益目的で、だ。日本が武器を捨てて「仲良くしましょ?」と言っても「判ったww」と言って握手をした後「で、我々へのリターンは?」と言って手を離さない。積極的にODAを勧めインフラ整備や技術供与をするだけでは既に彼らの胃はふくれない。
それ以上の身を切り続けるしか彼らを留める術はない。
 先進国の常識や価値観など彼らにとっては知った事ではない。
国内の少数民族への虐待から始まり、他国の領知を力づくで浸食して行こうとしているのだから、当然の話だ。領土・労働力にそこそこの資源が揃い他国(欧州)への投資利益も提供できる中国には国際世論など関係ないし、そもそも叩かれない。欧州は自分たちの利益に繋がる上に直接ぶつからないのだから露西亜とは事情が違う。
そして中国は傍目には日本に対しておこなっているのは「民間人の暴走」が主だ。これも当局の取り締まりの怠慢程度への非難規模を抑えようとしているから。
力をつけ、成長力も残されている中国を、日本が提供する少ない餌やアメリカの凄みで押さえておける期間はとうに過ぎたのだ。だから外に出てきているのだ。
日本が彼らを抑えておけるとすれば、これまでの利益供与を遥かに超える益を彼らに流し続けるか、彼らに明確に抵抗するしかない。外交努力で補えるのはそのどちらかだが、前者は一時凌ぎしかならない。前者は満足する必要が無いのだから。果物を採っても生やせる木が有るのなら、有るだけもいで、又生やさせて、又もぐだけだ。
永遠のループ。
枯れるまで終わる事は無い。

 では軍事力ではどうか?
これも一つの可能性でしかない。しかし有るかどうかで抑止力の有無は明確に違う。反撃される可能性が有るから攻撃にも慎重になるのだ。強盗が筋骨隆々のプロ格闘家とそこらの老人のどちらを狙うのかを考える必要はないはずだ。
今の軍事力で問題はないか?
難しい所だが、今の所抑えきれていないわけではないが、僅かに漏れ出しているのが事実だ。それが度重なる領土侵犯と浸食行為だ。ハッキリ言って中国の海軍は強くない。数こそいるものの数だけだ。しかし練度はそのうち鍛えられる。技術力もついてくる。年々中国の軍事費が増長している様を見ればそれが今後収まっていくとは思えない。そして自国の経済成長がやめば、それはより深刻になる。
今のままではもう足りないのだ。
もう無抵抗の日本と、その後ろのアメリカの顔が通用する時代ではなくなった。それが絶対の事実だ。
将来、軍事力が決定的に足りなくなればどうなるか?
領海を勝手に埋め立てられているフィリピン・民間船を沈められたベトナムと同じ末路を辿るだけだ。ハワイ沖まで彼らの主張する通り領海とされるだけだ。
軍事力は戦うための道具ではない。外交戦略交渉を支える補助具でしかない。


 利益の大提供というギリシャと同じ様な過去の財を投げ打って将来の確実な死を免れるには、軍備の増強・軍事側面の強化しかありえないのだ。
もちろんそのどちらを選択するかは国民の意思に委ねられるべきだ。
が、軍備を拡張すれば死人が出る/しなければ出ないは過去の幻想だ。中国と言う砂漠の上に広がる蜃気楼でしかない。
すれば出るかもしれないが、しなくとも出るのだ。
痛みの無い選択などない。


 他国を犯さない代わりに他国に犯させない永世中立のスイスはどうなのか?
スイスは軍事力に大きな力を注いだ、(左翼思想を適用すれば)軍事大国だ。
 お花畑で平和の到来を考えたフィリピンはどうなったのか?
米国を追い出して「おれたちは平和だ!!」面をし、自国の軍事力をほとんど保持しなかったフィリピン故の今が有る。
日本はどうするべきだろうか? 安保法云々ではなく背景が既に変わってしまった事は忘れてはいけない。


 因みにISILではどうか?と言うともっとたちが悪い。
彼らは経済戦争と思想戦争を行っている者たちが其々混在しているからだ。
経済戦争を仕掛ける輩には外交努力と言う名の餌を与えれば良いが、思想戦争をしている者たちにそれは通じない。彼らの利益は自分の中の満足にしかないからだ。
それこそISILに参加でもしない限り、彼らは満足しない。
1000年前の世界へタイムスリップだ。
女性は物の時代に。

 もう既に彼らには目を付けられている以上、金目的を除いても対象にならないとは言えない。
何より今後もアメリカとつるんでいる限り、どうあろうが彼らの敵国認定は避けられない。そして当たり前だが日本にはアメリカとの同盟を切り単独を貫くなんて選択肢を採る能力は無い。その場合はロシアと仲良しになって欧米を敵に回すか中国の属国になるかのどちらか。


 また、もう一つ重要な事実が有る。
日中・太平洋戦争時の事情だ。確かに日本は帝国主義であったし、他国を侵略・占領しようとした。その事について否定する気もない。
が、もう一つの側面として、あの時の日本の実情だ。
この世界で貿易や交流が活発になり、日本もその流れに身を任せ世界とつながった瞬間にシーレーンの死守と言う枷を背負う事になった。あの当時、欧米諸国と対立をしていた日本にとってその交流(や国防)を行う外界のルートが全て他国に抑えられていたというのが実情だ。
当時の日本にとって、生きるための選択でもあったのは忘れてはならない事だ。既に封鎖行為を行っていた欧米に対して抵抗するには、他国にルートの確保(強奪)しかなかったわけだ。

 それが現在にも当て嵌まる。
日本の生命線であるシーレーンは日本から東南アジア周辺近海を通って行くルートだ。中国の増長を止めなければここを抑えられるのだ。レアアースどころの騒ぎではない。
食糧にしろ石油にしろ、日本は自国で賄えないのだから。
放っておけば何れ締まる首輪を付けているのと今既に同じ状態に陥っているのだ。
そして海洋と言う一国ではどうあっても維持できないエリアの保護は連携していくほかにない。故に結びつきの強弱は重要な案件だ。



 選択肢は2つあるが、個人的に中国の属国になるのは遠慮したい。
いつ殺されるかもわからない真綿で首を絞められている状況に脅える気にはならない。
その意味で軍事力の増強は賛成するし、軍事側面の強化も賛成だ。戦わない為に戦える力/背景を備えるべきだと考える。



 では安保法案に賛成か?と言うとそうでもない。
正直よく判らん・・・。
明確なテーマである、集団的自衛権は、個別的自衛権の解釈拡大適用ではいけないのか?集団的自衛権でなければいけない事が何なのか?それが判らない。
色々と意見を見ても、今一つしっくりこない。
米国やアジア諸国は喜んでくれるだろう。自分たちの負担を日本が一部でも背負ってくれるんだから。だが、そうでなければいけない理由が日本には有るのだろうか?
こんな事をせずとも軍備側面の強化は可能だ。気は心、まずは形から~と言う事なのだろうか?
国の在り様をその一部でも換えようというのだから、それが判るように明確に詳細に議論し、丁寧に時間をかけて説明する義務があるのではないのか?
 それで日本国民の意見が変わるかと言えば怪しい所ではある。
だが、効果が期待できないからと必要な手順を飛ばしてしまえるほど軽い行為ではないはずだ。安倍政権は日本の政党・政府の中ではまだマシな方だと思う(良し悪しは別に政策を実行している点、加えて他が糞過ぎて比較にならないだけだが・・・)が、これは流石にいただけない。
選挙によって信を得た政府だというのなら、同じように信を得る努力をするべきではないのだろうか?


 残念ながら、日本国民は上位下達がDNAに仕込まれてきた民族だ。
お上に飼われてきた羊の群れだ。
国民が自分たちの力で自由・思想を勝ち取ってきた事は殆どない。その意味で現実的な思考力・現状把握能力が備わっているのかは甚だ疑問。もちろん私も含め。
ゆえに国民の意志に従う唯唯諾諾の政治はすべきではないだろう。お隣の人治国家の仲間入りをするだけだ。
しかしだからと言って、その努力を放棄する事が許されるのか?
安倍政権には政治とは何かと今一度考えてもらいたい。



 代案も出さずに、国会でプラカード掲げる馬鹿どもに理解させろとは言いませんから・・・。

 ついでに、別に安倍政権が退陣しようがどうなろうが、安保法が通ろうが通るまいが構いませんが、安保法に対してキーキー言っている人達は、現政権がどうなろうと法案がどうなろうと、現状日本を取り巻いている状況は変わりはなく、対応が迫られている時期だというのは認識して欲しい所ですね・・・。
もう戦後の安穏の中ではないという事実を。
その上で賛否を論じて欲しい物です。




こんな事をつらつらと最近思っています。




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