非MtG)閃の軌跡を振り返って その伍
非MtG)閃の軌跡を振り返って その伍
非MtG)閃の軌跡を振り返って その伍
皆さん、こんにちは。しもべです。


 閃の軌跡を振り返って。
前回ちょっとシナリオ方面に触れたのでどうせならそちらを掘り下げていこうかと思います。シナリオとその演出について。


・突っ込みどころ満載の演出
-第1部:のろのろゆとり→困った→ヴァリマール!!
-降魔城でのボスラッシュ:倒す→本気を出す→味方の加勢
:やりたい事は判ります。
ピンチになった際の一転逆転劇、味方の登場と言うのは非常に盛り上がるイベント演出です。使い古された方法とは言え、未だにそれは胸を熱くさせるものが有る王道の良さが有ると言えます。
が、その演出が悪い。
致命的に悪い。

 上は潜入や奇襲を仕掛けたりしたにも拘らず、敵ボスとの会話をだらだらしていたら増援を呼ばれて一転ピンチに。
 下は苦労して倒したボスが、実は本気を出していないナメプをされていて、そこに味方が加勢でその場を任せて切り抜ける。
と言う物。
その2つともがプレイヤーのそれまでの行動・努力を否定されている、台無しにされているという物。これまでレベルを上げて・ダンジョンを踏破して、苦労してボスまで倒して~と積み重ねてきたものが用意された展開で全否定されているのが本当にイラつかされるのです・・・。
ただでさえシリーズ特有の本気を出して無いパターンは受けが悪いというのに。
 パターンと言うのは決して悪い者ばかりではないはずです。確かにワンパターンは飽き飽きしてしまうこともあるわけですが、それは演出次第なわけです。浅見光彦シリーズは毎度笑い要素になっています。ロム兄さんや水戸黄門の口上はパターンで飽きもありますが、そこに一定の格好良さや美学が存在しています
 ババーン!! → ハハァーorz
はそれが無ければ始まらないほど締まっています。
正に美学です。
だから精神的な満足感や楽しみが有るわけです。

 が、閃IIにはそれが無い。
ただこれまでプレイヤーが積み上げてきた物が否定される強制展開が有るだけ。盛り上がりが無い事もないのですが、常に同じタイミングで入るので飽きも来ます。1度目はそこまででもないのですが、故に出来る事はもっと有ったはずです。寧ろ2回目以降は完全に盛り下がる。なぜおまえらはそんな事してるのか?と思わず突っ込んでしまう・・・。どうせ~なんだろ・・・とかヤル気を無くしてしまいます。
そこには胸を熱くさせる演出が無いわけですよ・・・。何せ自分たちでは結果を成せておらず「常に」人の手を借りているわけですからね。全部を自分たちでやらなければ満足できない~と言う様なティーンの万能性を主張する気はありませんが、ここまで達成感が薄いとお前何やってんの?と言う感想に包まれます。
結果が同じだとしても、積み上げが活かされる形やプレイヤーを飽きさせないような動機・演出・組立があればもっと違った評価になったはず・・・。

 出来るはずなのにしょうも無い事にされるため盛り下がる。逆に素晴らしい演出で盛り上げる。
出来不出来が有るのは仕方ないのですが、それをもう少し何とか出来ないのでしょうかね?


 ノルドの監視塔も、最初から機神で奇襲をかけた方が遥かに楽であるにも拘らず、その何倍も難しい潜入ミッションを敢行し、その上最終的には機神召喚。徒労感が半端ない・・・。
せめて、騎神を囮にするとかあるじゃないですか・・・。何で拠点攻めと言う一番戦力が必要な難しいミッションを正面から敢行しようとするのか・・・。


 バレバレのユミルを拠点に使って襲撃を受ける。
一度目はまだしも、二度目は一体何をしていたのか?というね・・・。当たり前の襲撃を受けて当たり前の敗北。何か対策してもいたような発言も有りましたが、具体的には何をしていたのか・・・


 ついでに、最後まで行っても一対多でも執行者レベルに届かない戦闘力・・・。
お前のその3ケタのレベルは一体・・・。
これまでの冒険とレベル上げの努力は一体・・・。
(まぁ、何処まで行ってもまだ主人公達は成長段階と言う設定を与えられていて、IIIへの布石と見る事も可能です。)
 にも拘らず、外伝では最低でも執行者レベルのリーシャ(仮面付きで痩せ狼と互角)やそれに準じるロイドにナメプをし返すストーリー上の矛盾・・・。
整合性が採れていないにも程が有る。



・小物過ぎる敵の大将と狙い、及び謎。
:主に島田敏氏が敵の大将を務める訳ですが、リィン達が誰も相手にしていない。城でリィンが言ってますが「アンタの事情はどうでもいい」に尽きます。因縁が無さすぎる上に、目的も在り来たりで且つショボイため、かまいようがない。イベントもクロウとヴィータがメインでフィーに「・・・いたんだ。」扱いされる空気感。
相手の存在も事情も実にどうでもいい。
零の軌跡のオマージュなのかもしれませんがね。あれも敵側の自爆で且つほぼ関わる事なく終りを迎えますからね。

 しかし仮にもメインストーリーの敵側の総大将の扱いが余りに雑すぎる。結果を知っている身からすれば判っていたこととはいえ、余りに酷いです。
因みに彼が手段として顕現させた降魔城の意味もまるで判らなかった。あれを復活させて何がしたかったんでしょうね?単に兵士を生み出し人の生命を吸う軍事力と言う事でしょうか?
まぁそうだとしても余りに、碧の大樹やリベル=アークに比べショボイ。
(ヴィータとしては舞台を整える意味が在ったのだとは思いますがね。)



・主人公達の立ち位置
第3の勢力を謳いながら、内乱中完全にリィン達が革新派の別働部隊でしかなかったのも滑稽です。
確かに直接的に内乱を起こしたのも貴族派ですし、作中の描かれ方から貴族自体に問題は非常に多かったのは事実。ですが、そもそもその様な状況になったのは革新派が既得権益を荒らしたからであり、強引な手法で顰蹙と敵意を買い、周辺自治州を強引に接収して行って憎悪を煽って行ったわけです。革新派にも問題は大いに有った。にも拘らず終始完全に革新派寄りの行動。内乱に干渉する事と内乱を終わらせることはまるで別の話ですが・・・。
もう内乱に直接的に関わると責任まで抱え込まなければいけないから、それを避けているような口実にしか聞こえなかった・・・。

 故に第3の勢力を謳うのなら、革新派の問題部隊を潰すとか他にやりようはあったはず。
大筋を換えないとしても、一例ですが、せめて公爵逮捕は貴族派からの要請(同軍がやると角が立つから皇軍に潰してほしい)的な感じでルーファスから話があればまだよかった。後は見て見ぬふりしますという同じセリフがあれば成立したはずですし、ね。そうやって両方に干渉する行動が在ればこの矛盾も存在しなかったんですがね。


 逆に言えばI・IIに置いて貴族派を主に相手にしていたわけですから、IIIに置いては革新派の問題部分を摘発し相手にする、と言う事なのかもしれません。かなり邪推の部分ですがね。
しかし、そうすると必然的に相手は鉄血宰相ですが、すると蛇は再び脇役?



 完全に個人的な意見ですが、盛り上がりが薄いようにも思いました。
空のワーストキスやグランセル襲撃、リベラルアーク登場。零の最終章の病院前後や碧のクロスベル襲撃・黒幕の判明時等々「怒涛の展開!!」と言う様な盛り上がる場面が少ない。
空の砂浜の再会のような感動も少ない。
部分部分で感情を揺さぶられるところが確かに有るのですが、それが長続きしない。これは事件の内容がしょぼくて茶番である事実や各キャラクターに感情移入できるかどうかにもかかってくるのでしょうがね。まぁ、個人的には余りクロウに重きを置いていなかったせいかもしれません。
しかしやっぱり冷める演出が大部分の原因ではあると思います。

 その意味で物語のエンターテイメント性としての出来はやはり過去作のそれらに比べると大分劣ると感じます。この部分に当てはまるのは敢えて言うなら幕間の奮起と逃避行の部分ぐらいですか・・・。



 等々本当に演出面で疑問が残るわけです。
まぁ捜すほど粗の見えてくるストーリー・・・。前回のシステムでも挙げていた「カタルシス」がこちらでも無いわけです。そしてその大部分がIIというね。
もう少しどうにかならなかったのでしょうか?
まぁ8ヶ月の開発期間ではさすがに無理が在りようです。

 消化不良の部分については、恐らく続編が出るのでまだ評点はしない。
ただし、2本ゲームを使って何も話が進んでいないと感じさせてしまうような作りはユーザーに喧嘩を売っていると思われても致し方ない。
正直言って不快でした。
これが初めから1とか2とか明かされているのならともかく・・・。




 ですが、別に演出力が完全に無いわけではないはず。
これも個人的な感想ですが、序章・幕間・降魔城のラストなんかはとても秀逸な出来だったと感じました。
序章は主人公の挫折と再起。
幕間は主人公の決意と奮起。
に其々触れられ、とても盛り上がる。演出も同じく王道ながら、パターン物であっても実に胸が熱くなる展開でした。何よりもドラマ性がある。リィンの内面に触れた部分はこれぞストーリーRPGと言う部分でした。
 そして降魔城のラスト。
以前のエントリーでも触れましたが、これをしたいがためのI・IIだったのでは?と言う機神戦のタッグ。機神戦は仲間もいない1-1のデュエルであるため今一つ空しく盛り上がらない戦闘も多かったのですが、このタッグは流石に燃えました。あれの為だけのSクラフトは素晴らしい(どこぞで見た様な技ですが)。

 結末はハッキリ言えば大体想像が付く上に、碧の軌跡によってある程度ネタバレしていたのでそうなる展開の大筋は判っていました。にも拘らずあの胸が締め付けられるような悲哀・絶望が素晴らしい。
お前の人生は無意味でしたm9(^Д^)プギャーwww
ですからね・・・。
判っていても~と言う典型でした。あのタイミング・あのセリフが場を盛り上げこちらの感情をゆすってくるわけです。精神的な満足感とは別種の、胸を掻き毟られるような演出。
これぞ演出の妙だと思えました。
矢張りパターンでも演出の出来不出来に如何に左右されるかがよく判る部分です。

 その後の外伝での新旧主人公対決も熱かった。
リィンの無神経発言には同情の余地もあるとはいえイラつかされたましたがww
空-零/碧では良好な関係が築けていた分、対比でその印象や衝撃が際立っていましたね。
やさぐれリィンも良い味出してましたねw


 そして後日談。
ここは以前のエントリーで書いたのでほぼ同じ内容ですが、まぁエントリーの纏まりとして繰り返します。人によっては蛇足と感じるようですが、個人的には寧ろアレが有る事が必然でした。何せ「特化クラスVII組の初めから終わりまでの1年間」を描いた作品なのですから。これが無ければ起承転結しない(リィンの話は全く結しないがww)。VII組の面子も含め、別れや終りを迎える哀愁と始まりを感じさせる期待や希望が入り混じった何とも情緒あふれる期間を描く事が出来ています。特にキャラクター一人一人に物語が有る軌跡だからこそすべてのモブキャラに用意された終りが圧倒的な世界観を生み出している。
 そしてボス戦。
何も無いと言いますが、あれは集大成であり要は卒業式/卒業試験なわけです。他者から見れば何の意味の無いが、本人達にとっては間違いなく人生の節目なわけで、それが「卒業式」と言う物でしょう。それをボス戦で用意するという形が、その意図を理解できてからは非常に感心させられました。物悲しくも希望溢れる明日をイメージさせるBGMも実に出来が良い。
素晴らしいの一言でした。




 と言う訳でやっぱり、所詮は個人の感想ですが良い部分は有ったと感じました。
見るべき物が残っている以上、後はそれをどれだけブラッシュアップして行けるかですよね。空のような感動をもう一度。次のIIIの開発期間は空いてますし、まぁ期待せざるを得ない。と言うか期待に応えて欲しいものですねぇ・・・。





P.S.
因みにその演出の部分ですが、ちょっと気になったのが閃IIにおける後日談の一シーン。
トワ会長との語らいの場面ですが、個人的にはリィンのメッセージ画面の顔は映さない方が良かった気がします。
リィン本人が俯いていてわざわざその状態で会長が顔を抱え込んでくれたという、顔を映さない様な動作だったのですから、表情が見えない方が痛々しいリィンの心象の想像をかき立てる事が出来て臨場感が有ったのでは?と思いました。
零のコリン捜索時のレンや空SCのエステル・ヨシュアの砂浜の「見ないであげるから~」と同じですね。



コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索