レガシー)今週のSCGの結果 感染した
2015年10月27日 紹介
皆さん、こんばんは。しもべです。
GP北京では日本人チームが躍動していたようですね。
玉座にはあと一歩届きませんでしたが、2位、4位に2日目進出多数とかなりの出来だったようです。カナダでもGPが行われていたようですし、近年は本当にGP数が多いですよね。
さて、St. Louisで行われたSCGでは久々のLegacy Openでした。
待ちに待った《時を超えた探索》禁止後初の大型SCG大会であるOpenシリーズ。結果は嫌がおうにも気になるというものです。
早速結果を見ていきましょう
ペタル↓
http://www.starcitygames.com/events/241015_stlouis.html
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/deckshow.php?&t%5BC1%5D=3&start_date=10/24/2015&end_date=10/25/2015&start=1&finish=32&event_ID=20&city=St.+Louis&start_num=25&start_num=0&limit=32
優勝はTom Ross氏のInfectです。
以下Top16
Infect
ANT
RUG Delver
KotR+《珊瑚兜への撤退》
BUG 続唱
Death&TaxtR
Miracles
BUG 続唱
----------------
Infect
Lands
BUG 続唱
Imperial Painter
Reanimator
Jund
TinFins
赤単Sneak
です。
上位32名までリストは公開されています。
2日目進出デッキ
は
Shardless Sultai:14
Storm:8
Miracles:8
Temur Delver:7
Sultai Delver:7
Elves:7
Infect:6
その他~
(http://www.starcitygames.com/events/coverage/3527_day_2_metagame_breakdown.html)
です。
内訳をみるとBUG続唱・Miracles・ANTと各大会やSCG PIQで調子の良いデッキが其々多数を輩出しメタを形成していますね。
特にBUG 続唱はフェアデッキやMiraclesにも強いため、今のメタでは優位性をかなり発揮できるようです。2日目進出トップですがTop32でもTop32に4名でそのうち3名がTop16です。
MiraclesはTop32に3名ながらTop8に1名。BUG 続唱に加え優勝したInfectにLands・RUG Delverと優位の付かないデッキがそれなりにいた事が問題になったかもしれませんね。
特徴的なのは《僧院の導師》採用型の多さ。
Joe Lossett氏のメイン型はある意味象徴的でさえ在りますね。アド獲得手段であり攻防の担い手。75枚に入るのが普通になってきました。しかしそれを見越しているのか各デッキのサイドにも対W札や対小型・スィーパーも普通になっていますね。
Delverは2日目進出数ではRUG+BUGで14名とかなり多いのですが、上位Top16以上に来れたのは3位のRUG Delver1名のみ。
こちらもメタ的に苦しい戦いが多かったようですね。正直環境変化後はかなり勢力が衰退している感のあるDelver系。デッキパワーも落ち、不利の付くデッキが台頭する中では安定した成績は残せても最上位を狙うのは少々難ですかね? しかし総合的な成績自体は残っていますし、神決定戦でも勝っている。悪くはない筈。
気になるのは増加した《もみ消し》の数ですね。
ANTはMiralcesと同数の進出者から準優勝を含めTop32には2名のみ。
Top16を見るとそれ程苦戦しそうなデッキが多いわけでもなさそうですが・・・?
とは言え、Omniの様に3名中2名がTop32に入ってますし、Top16でもCombo自体の総数は少なくはない。やはりそれなりに戦いやすかった面子の様に見えます。
しかしSnT勢の凋落はどうした事か。
と言うかまぁSneakShowにどうせ行くんだろ?と言わんが如き対Sneak札のサイドでの各デッキの札の多さが目につきますね。これだけ結果が伴ってないのにも拘らず対策札の枚数は寧ろ増えているような印象すらあります。
デッキパワーが著しく落ちたOmniが頑張っている始末ですからね。
Omniと言えば結局ドロースペルはどうするんでしょうかね?《ウギンの洞察力》はどうなのか?と言われていましたが、やはりそもそも置物依存は苦しいですかね?今回の様に《無限への突入》に回帰するデッキも多いですが・・・。
今回は大型大会の割に雑多なデッキも多い印象。
地雷かもしれませんが、それでも残した事実は侮れない。物珍しいのかよくフィーチャー席に呼ばれていましたが、それらが勝っているわけですね。
ここからは個別に気になったデッキを見ていきます。
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=94111
優勝したTom Ross氏のInfectです。
InfectマスターTomも久々の戴冠。
とは言えR全盛期でも使い続ける執念と気骨のある方(しかも結果も付いてきている)なので、Rが減り、Miraclesが増えたのなら明らかに追風ですね。数自体も増えてきていましたし。
そんな彼は今回も個人チューンがされ特色を持っていますね。
いつも見ていて楽しいTomのデッキですが、今回もすごい。
最も驚いたのはメインから《ドライアドの東屋》、《緑の太陽の頂点/GSZ》を入れている事。
東屋はModernでは割と普通のようですがModernよりも速度が有り、《ヴェールのリリアナ/LotV》の数も多少は減るLegacyではあまり見ないですよね。そうでもないのでしょうか?
もっと珍しいのはGSZ。
普通はこの組み合わせが有ったら「あぁ、1t目からマナ加速したいんだな~」となるはずですが、どう考えても違う(まぁそれはそれで役に立つ場面もあるはずですが)ので、詰まる所《ぎらつかせエルフ》の水増しでしょう。
《森の知恵》が入っている事に加え、サイドに今や当たり前になった《屍百足》にわざわざ選択された《ヴィリジアンの堕落者》、東屋に《呪文滑り》等を考えるとかなり妨害、と言うか除去に強くしたような構築に見えますね。頭数を増やし、保護役の生物も増やし。フィーチャーの席では《呪文滑り》もきっちり仕事をしてましたしね。
そしてその結果のしわ寄せで枠を削られたのがこれまた驚きの《巨森の蔦》です。
なんと4枚(~3枚)→2枚にされています・・・。
この事からも瞬発力を犠牲にしても太く長めのゲームプランを取っているのが判ります。そして保護札自体を生物に置き換えているとも言えますね。まぁ(G)(G)は鬱陶しいManadenial・プアカウンターをすり抜けなければいけないのは手間ですし、嘗てと異なり《強大化》の存在も有るので、大元の生物を優先するのかもしれません。
しかし革新的な採用の多いTom。
Washington, DCでのOpenではtWが目を引き増したね。今回も極めて異例な調整ですが、それがどれ程活躍したのか見れなかったのはツライ。早くYou TubeにUpされませんかね・・・。
因みに9位のAndy Vajda氏のリストがここ最近のスタンダードリストに近いので見比べるとかなり判りやすいですね、違いが。
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=94120
8位、Colin Logan氏のD&TtRです。
ここまで来るともはやD&Tの面影が無い。何のデッキ??
《スレイベンの守護者、サリア》4枚+《ヴリンの翼馬》1枚の5枚課税体制に加えて《月の大魔術師》まで詰め込んだ土地Hateにのめり込んだデッキですね。《帝国の徴募兵》が其々必要なManadenialを調達できるのが素晴らしい。最近は基本地形もそれなりにフェアデッキが積むのは当たり前ですので、この棲み分けは良いですね。ANTの様なStormが多いのなら5枚体制も価値が有る。
またBUGの増加を受けて《ミラディンの十字軍》が復活しています。
前環境では完全いお払い箱でしたが、BGxが多いのなら2枚目もアリかもしれませんね。元々打点も高いカードですし。
そしてRが入る事でやはり素晴らしいのはサイド。
今まで《太陽の槍》や《Holy Light》に頼っていた部分がかなり是正されます。《唐突な死》はこちらに被害がほぼ無いのでかなり良質ですね。またどうもMiraclesの《僧院の導師》採用型の増加や、ANTの《巣穴からの総出》の水増しの予兆が有るので物珍しい《ゴブリンの名手》はオシャレな1枚になるかもしれません。Elvesにも有効ですしね。
きっちり3枚採られた《Karakas》はもはや対Comboの役割が大半。
このままいくとまた2枚程度まで減るかもしれませんね。寧ろこのデッキが3枚入っている事に驚きですが、その結果がSnT系の減少なのかもしれません。
なんだかんだ目立ちませんがD&Tもそれなりに数がいるんですよね。
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=94059
11位、Chris VanMeterのBUG 続唱です。
環境を規定している続唱。
今回も良い成績ですね。
CVMが記事(http://www.starcitygames.com/article/31765_The-Approaching-Legacy-And-Modern-Opens.html)で軽く挙げた通りBUGを持ちこんで結果を出していますね。《Hymn to Tourach》の数は確実に増しています。基本的にはSCGでも勝っていたtW《翻弄する魔道士》+スィーパー水増し型が勝っていますね。
単体除去が何故か増えているわけではない不思議な環境なので《ヴリンの神童、ジェイス》も活きるのかもしれません。無駄になる可能性のあるHymnを採用する上での潤滑油ですかね。今回2名も上位に入っている事を考えるとかなり良い調整なのかも?
結局消耗戦になった場合に強いのは続唱側ですしね。
Hymnの数は2~3枚に抑えてある物が単体ですし、ここが各デッキの調整どころなのかも。
軽い小型よりも面除去と言うのも意外と面展開が継続されている今の環境ではいいのかもしれません。
メインの《毒の濁流》に加えて、サイドには《ゴルガリの魔除け》2枚ですからね。力が入っています。あまり併用は無いでしょうが、それでもジェイスのタフネス2がここでも生きてきますね。
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=94116
24位、Joe Lossett氏のMiraclesです。
上述したデッキですが、サイドに有るべき《僧院の導師》がメインに挿されています。アグレッシブサイドではないため虚を突けない!と言う事を思うのですが、なんとメインには他に8枚ものアド生物が入っています。元々の数の多さを考えればそんな配慮無意味なわけですね。割り切っていて、他の勝ち手段は《精神を刻む者、ジェイス》を除いては有りません。サイドの別途勝ち手段は兎も角、《天使への願い》もないわけです。
《魂の洞窟》2枚採用と言い、もはやUW Midrangeと言えそうな感じですねw
環境変化後はこの生物過多のMiraclesが一般的ですがそれでも4枚程度が主流。
ここまで生物が多いのは異様にも思えますね。その分JtMsは守り易くなっています。メンターに目が行きがちですが、同レベルで驚きなのが《ヴェンディリオン三人衆/Cliqe》の3枚仕様。最初《Karakas》2枚は何故なのかとも思いましたが、Cliqeを使った検閲Beatを刻むためなんですね。
まぁ結果として《造物の学者、ヴェンセール》と合わせて対ファッティComboにも高い耐性が有るわけですが。
《対抗呪文》をはじめ追加のカウンターを採っていない為、本当に生物勝負にかけていますね。生物の数の多さと多少歪んだ土地基盤を考えてか《思案》は2枚積んでありますね。
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=94123
13位、Samuel Thompson氏のReanimatorです。
メインは時折見る《墓所のタイタン》ぐらいですが、サイドに《ヴリンの神童、ジェイス》が居ます。メインに積んだ方は見ますが、サイドは珍しい。
しかしよくよく考えればピン除去が抜かれるのはサイド後の可能性が高いわけですし、こちらの方が機能性としては高そうです。アグレッシブサイドですね。ついでに布告の的を増やせます。
《浅すぎる墓穴》が有ると最も面白いんですがねww
後はサイドに《突然の衰微》に加え《ゴルガリの魔除け》も取られたtG型だというのも特徴。普通に置き物除去なら衰微でも良い筈ですが・・・。
《虐殺》を考えると対小型用の用途に価値が置けると言う事ですかね?ついでに《虚空の力線》等にも対処出来る。
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=94130
26位、Allen Injijian氏のPatriotです。
最近はそれ程活躍していないTricoの中でも特に日の目を見ないPatriotですが、Allen氏のそれにはなんと《若き紅蓮術士/YPM》が入っています。
Patriotと言えば《秘密を掘り下げる者》《石鍛冶の神秘家》8枚に《真の名の宿敵》2枚が基本なのですが、そこを削る以上に枠を採ってYPMをぶち込んでいます。
これはBGx系の多さ故にTNNの価値の低さに加えてアドを稼ぐためと言う事なのでしょうかね?
4枚採ってある事からもその力の入れようが判ります。
URxが隆盛していた頃とは異なるのでもはや探査ドローは居ないのですが、代わりの相棒として《瞬唱の魔道士》が入っていますね。
JeskaiBladeではほぼ見られない1マナ除去《稲妻》《剣を鍬に》の2体制(7枚)も有るのでFbのし甲斐も有るでしょう。このデッキの真価はDelver随一の対生物戦能力なのですが、今はどうでしょうね?Delverは多くはないですが、生物自体はいますし、Comboが跳梁跋扈しているわけでもない・・・。
またサイドには《方向転換》が入っています。
BGxの増加に伴うハンデス系、と言うか《Hymn to Tourach》の数は確実に増殖しているのでかなり良サイド。今回の結果を受け、今後は増えてくるかと思います。
http://www.starcitygames.com/events/coverage/reliquary_retreat_with_steven_.html
4位、Steven Schlepphorst氏の《聖遺の騎士/KotR》+《珊瑚兜への撤退》デッキのDeck Techです。
鳴かず飛ばずなこのコンボですがなんと今回は4位。
地雷かもしれませんが侮れないわけですね。
中身はComboに特化したBant MidrangetRです。
マナ加速生物+GSZ+KotRに保護札と考えるとBantよりもMaverickの亜種の様にも思えますね。《Volcanic Island》ではなく《Taiga》なわけですし。
形を見るとComboに特化しているわけではなく、普通にBeatdownも出来る形になっています。
tRで《ケッシグの狼の地》を入れる事でKotRの回転数を大幅に減らす事が出来るようになっているわけですね。
またさっぱり気づきませんでしたが、動画で触れられている様に
1t目マナ生物→2t目《珊瑚兜への撤退》で3t目に4マナをしっかり揃える事が出来るわけですね。
4マナのアクションがGSZ(X=3)に加えてJtMsまで揃うのが強力。
フェッチで延々と相手生物をタップする事でJtMsのサポートまで出来るわけですね。そしてもっとマナを伸ばせば《鷺群れのシガルダ》に繋げる事も可能。BUGが増えているのなら確かに有効牌でしょうね。
珍しいデッキですが、故に本人の話が乗っているのは有難いですね。
興味のある方は是非ご視聴を。
他にも
23位Taylor Malcolm氏のJeskai Bladeはメインに《エーテル宣誓会の法学者》と《復讐のアジャニ》入り。サイドには《虚空の杯》に《血染めの月》。
《ヴリンの神童、ジェイス》がメインに入ったOmni(29位)、《森の知恵》が入ったElvevs(19位)。サイドから「ドゥームズデイCombo」に代わるTinFins(15位)など一風変わった調整が非常に多いですね。
見ていて楽しいデッキ群の多さよ!!
こんな所です。
今回は大型大会故に今のメタ情勢を眺める絶好の機会だったわけで、何だかんだこれまでの大会結果が良く反映されていたように思います。
しかしその中でも其々に大なり小なり調整が入った光るデッキが多かった。
そんな印象です。
優勝こそInfectですが、メタの中心はどう考えてもBUG 続唱なので今後はそれを潰す動きも増えてくるでしょうね。
しかしさすがOpen。数の多さに本文も長文に・・・。
では今回はここまで、です。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。
この文章がお役に立てば幸いです。
GP北京では日本人チームが躍動していたようですね。
玉座にはあと一歩届きませんでしたが、2位、4位に2日目進出多数とかなりの出来だったようです。カナダでもGPが行われていたようですし、近年は本当にGP数が多いですよね。
さて、St. Louisで行われたSCGでは久々のLegacy Openでした。
待ちに待った《時を超えた探索》禁止後初の大型SCG大会であるOpenシリーズ。結果は嫌がおうにも気になるというものです。
早速結果を見ていきましょう
ペタル↓
http://www.starcitygames.com/events/241015_stlouis.html
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/deckshow.php?&t%5BC1%5D=3&start_date=10/24/2015&end_date=10/25/2015&start=1&finish=32&event_ID=20&city=St.+Louis&start_num=25&start_num=0&limit=32
優勝はTom Ross氏のInfectです。
以下Top16
Infect
ANT
RUG Delver
KotR+《珊瑚兜への撤退》
BUG 続唱
Death&TaxtR
Miracles
BUG 続唱
----------------
Infect
Lands
BUG 続唱
Imperial Painter
Reanimator
Jund
TinFins
赤単Sneak
です。
上位32名までリストは公開されています。
2日目進出デッキ
は
Shardless Sultai:14
Storm:8
Miracles:8
Temur Delver:7
Sultai Delver:7
Elves:7
Infect:6
その他~
(http://www.starcitygames.com/events/coverage/3527_day_2_metagame_breakdown.html)
です。
内訳をみるとBUG続唱・Miracles・ANTと各大会やSCG PIQで調子の良いデッキが其々多数を輩出しメタを形成していますね。
特にBUG 続唱はフェアデッキやMiraclesにも強いため、今のメタでは優位性をかなり発揮できるようです。2日目進出トップですがTop32でもTop32に4名でそのうち3名がTop16です。
MiraclesはTop32に3名ながらTop8に1名。BUG 続唱に加え優勝したInfectにLands・RUG Delverと優位の付かないデッキがそれなりにいた事が問題になったかもしれませんね。
特徴的なのは《僧院の導師》採用型の多さ。
Joe Lossett氏のメイン型はある意味象徴的でさえ在りますね。アド獲得手段であり攻防の担い手。75枚に入るのが普通になってきました。しかしそれを見越しているのか各デッキのサイドにも対W札や対小型・スィーパーも普通になっていますね。
Delverは2日目進出数ではRUG+BUGで14名とかなり多いのですが、上位Top16以上に来れたのは3位のRUG Delver1名のみ。
こちらもメタ的に苦しい戦いが多かったようですね。正直環境変化後はかなり勢力が衰退している感のあるDelver系。デッキパワーも落ち、不利の付くデッキが台頭する中では安定した成績は残せても最上位を狙うのは少々難ですかね? しかし総合的な成績自体は残っていますし、神決定戦でも勝っている。悪くはない筈。
気になるのは増加した《もみ消し》の数ですね。
ANTはMiralcesと同数の進出者から準優勝を含めTop32には2名のみ。
Top16を見るとそれ程苦戦しそうなデッキが多いわけでもなさそうですが・・・?
とは言え、Omniの様に3名中2名がTop32に入ってますし、Top16でもCombo自体の総数は少なくはない。やはりそれなりに戦いやすかった面子の様に見えます。
しかしSnT勢の凋落はどうした事か。
と言うかまぁSneakShowにどうせ行くんだろ?と言わんが如き対Sneak札のサイドでの各デッキの札の多さが目につきますね。これだけ結果が伴ってないのにも拘らず対策札の枚数は寧ろ増えているような印象すらあります。
デッキパワーが著しく落ちたOmniが頑張っている始末ですからね。
Omniと言えば結局ドロースペルはどうするんでしょうかね?《ウギンの洞察力》はどうなのか?と言われていましたが、やはりそもそも置物依存は苦しいですかね?今回の様に《無限への突入》に回帰するデッキも多いですが・・・。
今回は大型大会の割に雑多なデッキも多い印象。
地雷かもしれませんが、それでも残した事実は侮れない。物珍しいのかよくフィーチャー席に呼ばれていましたが、それらが勝っているわけですね。
ここからは個別に気になったデッキを見ていきます。
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=94111
優勝したTom Ross氏のInfectです。
InfectマスターTomも久々の戴冠。
とは言えR全盛期でも使い続ける執念と気骨のある方(しかも結果も付いてきている)なので、Rが減り、Miraclesが増えたのなら明らかに追風ですね。数自体も増えてきていましたし。
そんな彼は今回も個人チューンがされ特色を持っていますね。
いつも見ていて楽しいTomのデッキですが、今回もすごい。
最も驚いたのはメインから《ドライアドの東屋》、《緑の太陽の頂点/GSZ》を入れている事。
東屋はModernでは割と普通のようですがModernよりも速度が有り、《ヴェールのリリアナ/LotV》の数も多少は減るLegacyではあまり見ないですよね。そうでもないのでしょうか?
もっと珍しいのはGSZ。
普通はこの組み合わせが有ったら「あぁ、1t目からマナ加速したいんだな~」となるはずですが、どう考えても違う(まぁそれはそれで役に立つ場面もあるはずですが)ので、詰まる所《ぎらつかせエルフ》の水増しでしょう。
《森の知恵》が入っている事に加え、サイドに今や当たり前になった《屍百足》にわざわざ選択された《ヴィリジアンの堕落者》、東屋に《呪文滑り》等を考えるとかなり妨害、と言うか除去に強くしたような構築に見えますね。頭数を増やし、保護役の生物も増やし。フィーチャーの席では《呪文滑り》もきっちり仕事をしてましたしね。
そしてその結果のしわ寄せで枠を削られたのがこれまた驚きの《巨森の蔦》です。
なんと4枚(~3枚)→2枚にされています・・・。
この事からも瞬発力を犠牲にしても太く長めのゲームプランを取っているのが判ります。そして保護札自体を生物に置き換えているとも言えますね。まぁ(G)(G)は鬱陶しいManadenial・プアカウンターをすり抜けなければいけないのは手間ですし、嘗てと異なり《強大化》の存在も有るので、大元の生物を優先するのかもしれません。
しかし革新的な採用の多いTom。
Washington, DCでのOpenではtWが目を引き増したね。今回も極めて異例な調整ですが、それがどれ程活躍したのか見れなかったのはツライ。早くYou TubeにUpされませんかね・・・。
因みに9位のAndy Vajda氏のリストがここ最近のスタンダードリストに近いので見比べるとかなり判りやすいですね、違いが。
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=94120
8位、Colin Logan氏のD&TtRです。
ここまで来るともはやD&Tの面影が無い。何のデッキ??
《スレイベンの守護者、サリア》4枚+《ヴリンの翼馬》1枚の5枚課税体制に加えて《月の大魔術師》まで詰め込んだ土地Hateにのめり込んだデッキですね。《帝国の徴募兵》が其々必要なManadenialを調達できるのが素晴らしい。最近は基本地形もそれなりにフェアデッキが積むのは当たり前ですので、この棲み分けは良いですね。ANTの様なStormが多いのなら5枚体制も価値が有る。
またBUGの増加を受けて《ミラディンの十字軍》が復活しています。
前環境では完全いお払い箱でしたが、BGxが多いのなら2枚目もアリかもしれませんね。元々打点も高いカードですし。
そしてRが入る事でやはり素晴らしいのはサイド。
今まで《太陽の槍》や《Holy Light》に頼っていた部分がかなり是正されます。《唐突な死》はこちらに被害がほぼ無いのでかなり良質ですね。またどうもMiraclesの《僧院の導師》採用型の増加や、ANTの《巣穴からの総出》の水増しの予兆が有るので物珍しい《ゴブリンの名手》はオシャレな1枚になるかもしれません。Elvesにも有効ですしね。
きっちり3枚採られた《Karakas》はもはや対Comboの役割が大半。
このままいくとまた2枚程度まで減るかもしれませんね。寧ろこのデッキが3枚入っている事に驚きですが、その結果がSnT系の減少なのかもしれません。
なんだかんだ目立ちませんがD&Tもそれなりに数がいるんですよね。
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=94059
11位、Chris VanMeterのBUG 続唱です。
環境を規定している続唱。
今回も良い成績ですね。
CVMが記事(http://www.starcitygames.com/article/31765_The-Approaching-Legacy-And-Modern-Opens.html)で軽く挙げた通りBUGを持ちこんで結果を出していますね。《Hymn to Tourach》の数は確実に増しています。基本的にはSCGでも勝っていたtW《翻弄する魔道士》+スィーパー水増し型が勝っていますね。
単体除去が何故か増えているわけではない不思議な環境なので《ヴリンの神童、ジェイス》も活きるのかもしれません。無駄になる可能性のあるHymnを採用する上での潤滑油ですかね。今回2名も上位に入っている事を考えるとかなり良い調整なのかも?
結局消耗戦になった場合に強いのは続唱側ですしね。
Hymnの数は2~3枚に抑えてある物が単体ですし、ここが各デッキの調整どころなのかも。
軽い小型よりも面除去と言うのも意外と面展開が継続されている今の環境ではいいのかもしれません。
メインの《毒の濁流》に加えて、サイドには《ゴルガリの魔除け》2枚ですからね。力が入っています。あまり併用は無いでしょうが、それでもジェイスのタフネス2がここでも生きてきますね。
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=94116
24位、Joe Lossett氏のMiraclesです。
上述したデッキですが、サイドに有るべき《僧院の導師》がメインに挿されています。アグレッシブサイドではないため虚を突けない!と言う事を思うのですが、なんとメインには他に8枚ものアド生物が入っています。元々の数の多さを考えればそんな配慮無意味なわけですね。割り切っていて、他の勝ち手段は《精神を刻む者、ジェイス》を除いては有りません。サイドの別途勝ち手段は兎も角、《天使への願い》もないわけです。
《魂の洞窟》2枚採用と言い、もはやUW Midrangeと言えそうな感じですねw
環境変化後はこの生物過多のMiraclesが一般的ですがそれでも4枚程度が主流。
ここまで生物が多いのは異様にも思えますね。その分JtMsは守り易くなっています。メンターに目が行きがちですが、同レベルで驚きなのが《ヴェンディリオン三人衆/Cliqe》の3枚仕様。最初《Karakas》2枚は何故なのかとも思いましたが、Cliqeを使った検閲Beatを刻むためなんですね。
まぁ結果として《造物の学者、ヴェンセール》と合わせて対ファッティComboにも高い耐性が有るわけですが。
《対抗呪文》をはじめ追加のカウンターを採っていない為、本当に生物勝負にかけていますね。生物の数の多さと多少歪んだ土地基盤を考えてか《思案》は2枚積んでありますね。
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=94123
13位、Samuel Thompson氏のReanimatorです。
メインは時折見る《墓所のタイタン》ぐらいですが、サイドに《ヴリンの神童、ジェイス》が居ます。メインに積んだ方は見ますが、サイドは珍しい。
しかしよくよく考えればピン除去が抜かれるのはサイド後の可能性が高いわけですし、こちらの方が機能性としては高そうです。アグレッシブサイドですね。ついでに布告の的を増やせます。
《浅すぎる墓穴》が有ると最も面白いんですがねww
後はサイドに《突然の衰微》に加え《ゴルガリの魔除け》も取られたtG型だというのも特徴。普通に置き物除去なら衰微でも良い筈ですが・・・。
《虐殺》を考えると対小型用の用途に価値が置けると言う事ですかね?ついでに《虚空の力線》等にも対処出来る。
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=94130
26位、Allen Injijian氏のPatriotです。
最近はそれ程活躍していないTricoの中でも特に日の目を見ないPatriotですが、Allen氏のそれにはなんと《若き紅蓮術士/YPM》が入っています。
Patriotと言えば《秘密を掘り下げる者》《石鍛冶の神秘家》8枚に《真の名の宿敵》2枚が基本なのですが、そこを削る以上に枠を採ってYPMをぶち込んでいます。
これはBGx系の多さ故にTNNの価値の低さに加えてアドを稼ぐためと言う事なのでしょうかね?
4枚採ってある事からもその力の入れようが判ります。
URxが隆盛していた頃とは異なるのでもはや探査ドローは居ないのですが、代わりの相棒として《瞬唱の魔道士》が入っていますね。
JeskaiBladeではほぼ見られない1マナ除去《稲妻》《剣を鍬に》の2体制(7枚)も有るのでFbのし甲斐も有るでしょう。このデッキの真価はDelver随一の対生物戦能力なのですが、今はどうでしょうね?Delverは多くはないですが、生物自体はいますし、Comboが跳梁跋扈しているわけでもない・・・。
またサイドには《方向転換》が入っています。
BGxの増加に伴うハンデス系、と言うか《Hymn to Tourach》の数は確実に増殖しているのでかなり良サイド。今回の結果を受け、今後は増えてくるかと思います。
http://www.starcitygames.com/events/coverage/reliquary_retreat_with_steven_.html
4位、Steven Schlepphorst氏の《聖遺の騎士/KotR》+《珊瑚兜への撤退》デッキのDeck Techです。
鳴かず飛ばずなこのコンボですがなんと今回は4位。
地雷かもしれませんが侮れないわけですね。
中身はComboに特化したBant MidrangetRです。
マナ加速生物+GSZ+KotRに保護札と考えるとBantよりもMaverickの亜種の様にも思えますね。《Volcanic Island》ではなく《Taiga》なわけですし。
形を見るとComboに特化しているわけではなく、普通にBeatdownも出来る形になっています。
tRで《ケッシグの狼の地》を入れる事でKotRの回転数を大幅に減らす事が出来るようになっているわけですね。
またさっぱり気づきませんでしたが、動画で触れられている様に
1t目マナ生物→2t目《珊瑚兜への撤退》で3t目に4マナをしっかり揃える事が出来るわけですね。
4マナのアクションがGSZ(X=3)に加えてJtMsまで揃うのが強力。
フェッチで延々と相手生物をタップする事でJtMsのサポートまで出来るわけですね。そしてもっとマナを伸ばせば《鷺群れのシガルダ》に繋げる事も可能。BUGが増えているのなら確かに有効牌でしょうね。
珍しいデッキですが、故に本人の話が乗っているのは有難いですね。
興味のある方は是非ご視聴を。
他にも
23位Taylor Malcolm氏のJeskai Bladeはメインに《エーテル宣誓会の法学者》と《復讐のアジャニ》入り。サイドには《虚空の杯》に《血染めの月》。
《ヴリンの神童、ジェイス》がメインに入ったOmni(29位)、《森の知恵》が入ったElvevs(19位)。サイドから「ドゥームズデイCombo」に代わるTinFins(15位)など一風変わった調整が非常に多いですね。
見ていて楽しいデッキ群の多さよ!!
こんな所です。
今回は大型大会故に今のメタ情勢を眺める絶好の機会だったわけで、何だかんだこれまでの大会結果が良く反映されていたように思います。
しかしその中でも其々に大なり小なり調整が入った光るデッキが多かった。
そんな印象です。
優勝こそInfectですが、メタの中心はどう考えてもBUG 続唱なので今後はそれを潰す動きも増えてくるでしょうね。
しかしさすがOpen。数の多さに本文も長文に・・・。
では今回はここまで、です。
今回もお付き合いいただきありがとうございました。
この文章がお役に立てば幸いです。
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