レガシー)今週のSCGの結果 新ブロックの影響は有ったよエルドラージの侵食さ!
レガシー)今週のSCGの結果 新ブロックの影響は有ったよエルドラージの侵食さ!
レガシー)今週のSCGの結果 新ブロックの影響は有ったよエルドラージの侵食さ!
皆さん、こんばんは。しもべです。


 新環境後初のSCGのLegacy OpenがPhiladelphiaにて開催されました。
750名以上の大型大会になっていました。早速結果を見ていきましょう。
ペタル↓
http://www.starcitygames.com/events/270216_philadelphia.html#content_decks_legacy-tab
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/deckshow.php?&t%5BC1%5D=3&start_date=02/27/2016&end_date=02/28/2016&start=1&finish=32&event_ID=20&limit=50

 今週の優勝はNoah Walker氏のGrixis Delverです。


以下Top16(上から順に1位~)
Grixis Delver
Eldrazi Stompy
Infect
Grixis Delver
Miracles
Lands
UR Delver
Eldrazi Stompy
------------------
Eldrazi Stompy
Elves
Grixis Delver
Infect
Miracles
ANT
Eldrazi Stompy
Imperial Painter

 です。
因みに2日目のメタゲームは
http://www.starcitygames.com/events/coverage/3715_day_2_metagame_breakdown_.html

Colorless Eldrazi *9
Lands *8
Miracles *7
Grixis Delver *4
U/R Delver *4
Infect *4
Enchantress *3
Storm *3
Esper Deathblade* 3
Death and Taxes *3
其の他2名以下

 と言う事です。
もうEldraziが凄まじい事になっています。これまでLegacyで差して出てこなかった、話題にならなかったのは何故なのか?と言うレベル。しかも成績が素晴らしい。Top8に2名/Top16に4名ですが、それだけでなく公開されているTop32に7名です。2日目進出者の大半がそこに入っているわけです。
同時にLandsも増えましたね。元々少なすぎる印象がここ最近には有ったので、おかしくは無いのですが、それでもなかなかの数です。こちらも2日目進出8名中6名がTop32入り。
対フェアデッキ相手にかなりの威力をほこっているのが判ります。

 Miraclesはその陰に隠れていますがこちらもTier1の名に相応しくしっかり数がいます。苦手なデッキが一気に増えた割に成績を残しているところがこのデッキの強さを証明していますね。
 寧ろここ最近安定した成績を残していたANT、そしてそれに準じていたSnT系を含めて各種Comboの激減が大きな印象です。しかもここまでUの割合の少ない大会だったにもかかわらず、です。
理由は判りませんが、今大会で膨大に増えてしまった妨害置物の影響を受けているのでしょうかね?


 さて、ここからは個別に気になったデッキを見ていきます。
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=99286
http://www.starcitygames.com/events/coverage/colorless_eldrazi_with_kent_ke.html
http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=99291
上は今週2位、Gerry Tompson氏のEldraziです。下は26位、Greg Gentile氏のリスト。中は今週のDeck Techで、Kent Ketter氏のリストです。

 一大勢力で大会を侵食したEldraziですが、当然まだ構築も未発達。各人によってかなり構築に幅が有ります。なのでリストを見ていくのも楽しいですね。

 Gerry氏のリストは割とシンプルな構築ですが、初速を意識し《モックス・ダイアモンド》が入っています。似た様な構築に《猿人の指導霊/SSG》型が有ります。初動2マナを絶対用意するマン。土地もかなり多めの25枚になっており、取り敢えずマナスクリューを回避できる構築になっていますね。また《不毛の大地》4枚型であるのも基本形。マナフラしないか逆に心配なんですが、それなら《不毛の大地》を起動しやすいのかもしれません。
生物は基本的な軽量型になっています。
 妨害要素では珍しい《Karakas》に《虚空の杯/CotV》、《アメジストのとげ》、《歪める嘆き》と入っていますが、枠が無いので《四肢切断》が優先されています。切断が入っていないリストも在る中で3枚も取っているのは対ミラーを考えての事でしょうかね。お陰でやや妨害札の枚数がへるのですが、サイドに其々4枚目までを採ってあるので必要に応じてスイッチするようですね。
そしてサイドには《抵抗の宝球》です。
このメインとげ、サイドからの宝球追加は某動画版でもされていてかなり効いていましたね。その分無駄牌も増えるので正直リスクも高いのですが。それも考えて宝球は2枚か。

 この大会のEldraziを見ていて印象的だったのは《ウギンの目》を3枚に抑えてあるリストが多い事ですね。絶対に引きたい1枚の一つの上に《不毛の大地》まで有る環境なのですが、Modernの様な固定4枚枠でもない、と判断した方が多い。
確かに1枚有れば十分ではありますが・・・?
まぁ2マナランドが豊富になる環境なので、《目》が初手に無くともいいのかもしれません。
 また《梅沢の十手》の多さですね。
元々ライフロスも多いですが、それ以上にやはり小型除去と言う事ですかね?以前挙げたエントリーで挙げた回避能力の無さを補っているのでしょうか。


 Kent氏のリストはCotV+《三なる宝球》型。最初に考案されていたModern初期型に近いですね。
《ミシュラの工廠》と《終末を招くもの》3枚で判りますが、中長期戦までを視野に入れた形。対Miracles戦で極めて効果的な前者に、膨大なアドを生む後者。後者は対ファッティの側面もあるので対SnTに合わせて出す事も可能です。
ミシュラン+不毛の形になっていますが、中にはすっぱり諦めて不毛を切っているリストも有ります。
 最も感嘆したのは《ファイレクシアの破棄者》。
なんで思い浮かばなかったのか?と思う程。メインの妨害置物は欲しいけど、これ以上増やすと事故になる~と言うジレンマを回避できます。その上2マナなので1t目も可能。

 またサイドに《虚空の力線》や《精神壊しの罠》等最速で動かれた場合に対処出来る札を用意しているのも、デッキの欠点を考えての事でしょうね。《フェアリーの忌み者》とどちらが良いかは一長一短。
 《冬の宝珠》も最初見た時は驚きましたが、これも非常に理に適っていますよね。対土地デッキ戦が出来たりするだけでなく、利点は《ウギンの目》が有る事。マナを出さずとも済むために、相手より土地拘束のリスクが遥かに少ない。
同時にこのデッキが不毛4枚に三球を追加妨害として採用している理由でもあるのでしょうね。
Deck Techでの解説は有難いですね。


 最後のGreg氏のリストは少数派のBigMana型。
MetalworkerやMUDとのハイブリッド程ではないですが、《忘却蒔き》3枚に《大いなる歪み、コジレック》が印象的です。場合に依ってはここが《絶え間ない飢餓、ウラモグ》になったりもする様です。
以前のエントリーで挙げた様に《忘却蒔き》が対Miraclesや対Lands戦で大量に土地を引っ張ってきたり、《裏切り者の都》と併用で来たりするのでかなり強力です。
 また、マリガンしたり、高速展開する関係でハンドが枯渇する事も有るデッキ故か《海門の残骸》は非常に強力かも知れないですね。
BigManaの癖に分回りの3Killが有ると思うとズルいデッキですよねw


 とこんな感じになります。
土地を除けば、生物枠4種各4枚にCotV4枚は固定。加えて《歪める嘆き》も3枚以上が基本ではありますが、それ以外はかなり自由度の高い構築である事も判ります。最善のリストが見つかっていないと言うのは判りますが、それでも各人の各コンセプトを反映しやすいデッキでもある様です。
 今回出てきたのは無色Eldraziだけです。
Modernでは個々からご存じの様に各色に派生して行ったわけですが、流石にLegacyでは無さそうですね。特にCotVなどを抜けないので劇的な改築が難しい。その上KPも必要にされますから。
まぁそう言っていて出てくるかもしれませんがw

 しかしこれはModernでbanされるね。
致し方ないね。



http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=99290
優勝したNoah Walker氏のGrixis Delverです。

 すっかり話題をさらわれましたがGrixis Delverも4名とTempo系では最大数であり、かつその全員がTop32入りとかなりいい成績を残しています。
ここ最近の沈黙ぶりはなんだったのか?と言う程。

 リストの特徴は《もみ消し》を外してデッキパワーを上げています。
新しく入ったのが《グルマグのアンコウ》3枚《ヴェンディリオン三人衆》1枚、増加した生物枠を活かした《陰謀団式療法》2枚です。
 フェッチランドを使わないEldraziには挿して効果が薄いので、これは切って正解でしょうね。Comboが結果的に減ったのも追い風。土地基盤の脆さは通常のデッキ以上なので《不毛の大地》+《目くらまし》のTempoの基本であるManadenialは十分効果的。

 入っても1枚のアンコウが2枚目まで取られているのを見るとEldraziや《タルモゴイフ》とサイズ勝負が出来るように~と言う事でしょうね? 少なくともTier1のMiraclesを想定するなら使うはずもない。
大半が回避能力が無いため《若き紅蓮術士》で延々と出されるブロッカーやサイドの《悪意の大梟》等はかなり効くはず。そうして時間稼ぎをしている間に《秘密を掘り下げる者》と《死儀礼のシャーマン》で削り切る事が出来る。
 生物が増えた事でセラピーの増量が図られています。
これは対Comboで有効な選択ですが、ドローサポが無いEldraziはキープハンドから重要所を抜かれるとかなり停滞してしまいます。《ギタクシア派の調査》→セラピーで有効牌2枚を抜かれるともうかなり苦しいでしょうね。

 これまでのGrixisとはかなり異なる意匠ですが、今回はこの手の形が他にもいる為、相応の結果(亜種3人がTop16で、ベーシックなタイプが32位)が付いてきているようですね。



http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=99299
6位、David Long氏のLandsです。

 特徴はメインから《罰する火》+《燃え柳の木立ち》を抜き、代わりに《突然の衰微》+《溶鉄の渦》を採用している事です。これまでLandsの代名詞であったのですが大きく変わりましたね。
《溶鉄の渦》は《突撃の地鳴り》の代わりにサイドインされる事が多かったのですがね。回り出せば罰する火よりも遥かに効率が良いですし相手のライフを焼くのも早め。《不毛の大地》にも《血染めの月》にも強い札です。ある程度の土地が有れば十分であるため《マナ結合》も不要です。また《衰微》が入った事で《相殺》やCotVを躱し手の設置も可能となります。同時に衰微は2点では除去出来なかった生物を直接的に処理する手段になるため一部の盤面支配力が高くなります。
 しかし最大のシナジーである《壌土からの生命》で、発掘から墓地に落しても回収できると言う挙動が採れないのは結構気に掛かりますね。
まぁ其処も含めて墓地対策にやや耐性を持たせているのかも。

 黒が入った事で再度もかなり変わっていますね。
特に効果が大きいのが《闇の腹心》。メインはほぼ生物0枚に近いため除去は抜かれがちですし、対Wには《剣を鍬に》をつり出しやすいため、後続のDDコンボの露払いを1マナハンデス5枚と合わせて務める事も出来ます。生き残ったら残ったで土地をどんどん引き込めるので《溶鉄の渦》が機能しやすくなっています。

 久しく見なかったLands系ですが今回は活躍。
しかしEldraziやGrixisに比べると、数はいるものの、成績の内訳ではやや劣っていますね。
延々と繰り返される《不毛の大地》+Loamが有るので、ハンデス+衰微で序盤を挫く事が出来ればEldraziにも十分対抗できそうな気もしますが、どうでしょうね?見ていた動画では通常のタイプでは分回りされるとどうしようもないので、こちらが成績を残せるようになるのを期待ですかね。



http://sales.starcitygames.com//deckdatabase/displaydeck.php?DeckID=99298
28位、Eetai Ben-sasson氏のWR Death&Taxです。

 Borosカラーの構築で、時折見かける形ですね。
+《月の大魔術師》でLands・Eldrazi系に対する威力の補強になっている点が今大会では大きい。通常のLegacyのデッキでは《スレイベンの守護者、サリア》《ヴリンの翼馬》+《不毛の大地》/《リシャーダの港》で締め上げる事は十分可能なのですが、サリアが効きづらい相手は苦手ですからね。
 また久々に《コロンドールのマンガラ》が入っているリストを見ました。
特にこのBoros版では初めて見た気がします。
これも土地破壊に使えるだけでなく、D&T本来のコンボである《Karakas》+マンガラのお陰で生物戦にも強い。
土地破壊の強化・除去方面への回帰の両方がEldraziだけでなくフェアデッキ全般に強力なデッキになっています。

 サイドの《投火師》も珍しいですね。
Rと言うと大体《唐突な死》なんかが取られるものですが。そうでなければ《漸増爆弾》とか。
しかし実は5枚目の単体除去である《流刑への道》の方が珍しいかも知れません。徹底した除去デッキに仕上げていますね。



 こんな所ですか。
他にも《悟りの教示者》+《Moat》を採用しているMiraclesや奇跡を切りBを足してMidrangeにしてしまったDeckTechのEsperが気になりました。
 しかし、なぜJoe氏は《血染めの月》ではなく《基本に帰れ》なのでしょうね?
確かに赤札を多めに取る事で《月》の対策は取られてしまいますが、そもそも《ウギンの目》やDDコンボなど存在を看過できない特殊地形も多い筈ですが・・・?つまりそれ以外の理由があるという事なのでしょうが・・・。
 後は16位のPainterも。
リストは単体火力を減らした古典系ですが、ご存じのとおり《絵描きの召使い》が単体で《ウギンの目》を潰せるだけでなく《丸砥石》との瞬殺コンボ、《血染めの月》と、単にHateカードを入れたデッキではない完成度と威力があるデッキですからね。Eldraziの増加に対して増えてくるかもしれないと期待しています。


 BOMでもEldraziはTop8に残っていたようですし、750名オーバーの大会でここまで成績を残すとは。本当に華々しいデビューです。もちろん今後対策は進むのでこんな風には勝てなくなるでしょうが、それに対応したEldraziの変遷、及び触発されたLegacy環境の変化も実に楽しみですね。今回の様に著しくComboが減りUのフェアデッキも減るような事も有るのでしょうかね?

 Burnも《発展の代価》《罠の橋》が極めて有効なので出てくるはず。《古の墳墓》で好きなだけライフロスしてくれますしね。《焼尽の猛火》/《灼熱の血》も良いですし、逆に基本枠であった《大歓楽の幻霊》が効きづらくなるのでまた別の構築に変化するやも・・・。
 Miraclesもこれからまた形は変わってくるでしょうが、もしかしたら《エネルギー・フィールド》+《安らかなる眠り》が使えるHelmRip式がまた少しは見えるようになるかもしれませんよ!



 さて、今回はここまで、です。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
この文章が何処かでお役に立てば幸いです。



P.S.
個人的にはEldraziが流行ってくれるなら有難い。確かに速いけどJunkとしては対策が難しいという訳でもないので、方向性を寄せればお客様に出来そうです。

 しかしまぁ魑魅魍魎溢れるLegacy界で対策が解り易いデッキが勢力を維持できるとは思えないので、どこまでメタ上に残るか?になるか程度に収まると思います。



コメント

wasp
2016年3月1日19:20

デッキ解説がわかりやすいです。レガシーでのエルドラージの侵略はどこまで続くのですかね。如何せん無色札以外に何を入れるのが適正か・・・。ただ、自分みたいなレガシー入門というデッキにしては結構頑張れる方なんですねー。これを見ると2マナランドが幾らか少ないだけとも言えるにモダンバージョンはBANされるのは仕方ないとも思えます。やっぱりレガシー組めるようにしたほうかいいですね。

しもべの一人、H
2016年3月3日1:27

>waspさん
コメントありがとうございます。

 参考になったのなら幸いです。しかし解説ではなく感想です。結構間違った事も書いてるでしょうから、その程度のものと認識してください。

 LegacyではEldraziの進行は正直大した事にはならないと考えています。脳筋生物デッキに毛の生えた程度で勝てるほど甘くはありませんから。ただし、デッキパワーが高いのは事実。またこれに勝てるように作ったデッキが登場し、これまたそれを食えるデッキの台頭を呼び、今度はそれをEldraziが食う~と言うようなメタの一部にはなると思います。
それぐらいの威力を感じます。普通にブン周りの瞬殺が有るわけですからね。2マナランドの事もそうですが、Eternalと言う環境のカードプールの広さをいかんなく発揮できるのは良い事ですね。

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