ネタバレ無し)イースVIII感想 「ゲーテ海案内記」読了 その2(サバイバル・探索)
ネタバレ無し)イースVIII感想 「ゲーテ海案内記」読了 その2(サバイバル・探索)
ネタバレ無し)イースVIII感想 「ゲーテ海案内記」読了 その2(サバイバル・探索)
感想の続きです。

・漂流村
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 今回は流れ着いた無人島でサバイバル生活をしていくと言う部分についての展開が今一つ先が読めず、やや不安でした。
が、何も無い場所を少しずつ発展させていく様が如実に判るのでこちらのヤル気に繋がります

 漂流者を探しまわったり、彼らからの依頼を聞いたりして交流を深めていくわけですが、それはショートイベント/アイテム獲得だけに留まらず、土木作業員の増加による探索エリアが拡張され、迎撃戦のサポートにも影響を及ぼすため意味がしっかり有る。
Falcom特有の町村民其々にキャラが有り、数の少なさも合わさり愛着もわきやすい。イベントが進むごとに村民全員の会話が更新されていくFalcom節も健在。
ひととなりや村の様子を把握しやすくなります。
 ただ、漂流村の住人自体の交流ももう少し増えて欲しいとも思います。。特に5~6章で合流できる漂流者の存在感が極めて薄い。好感度イベントのお陰でアドルの人気は鰻上りなのですが、頑張ってるのは彼だけではない訳ですしね。零の軌跡であったようなショートイベント的な物が村民間でも欲しかったです。

 全体での結束感も感じやすく本当に「仲間」と言う印象をしっかり持てます。漂流村についても「零」や「閃の軌跡」の時に感じた「拠点」として帰る場所が有るのは嬉しいですね

 逆に滅多に人に会えない。そもそも他の町が無いと言うのはかなり寂しい要素にもなってます。
故に新しい漂流者を見つけたり、ダーナ編でエタニア王国を歩き回っているときは本当に楽しいのですが・・・。

 基本的には村民には各自役割があるのですが、立ってるだけのキャラもちらほら。ここら辺はどうにかならないのか?と言う気も。特にミラルダさんなんて料理係なのに。が、逆にこれ以上村でやる事を増やすと煩わしくもあるのでここら辺が限度でしょうかね・・・?
 基本的に種々施設が揃っていますが、特に有用なのが「交易所」。
要はこれまでの交換屋です。
素材のアップグレードから、ダウングレードまで交換できるので本当に便利。が、それだけでなく、不用品引取りや分解など待望のシステムも追加。
序盤から手に入る素材は簡単に三桁を越え中盤以降999個になる事もしばしばあるのでその意味でも非常に交換は便利でした。アクションはアイテムの溜まるテンポが速いですからね。

 何故、拠点に睡眠をとる場所が無いのかは不思議。
回復自体は出来るのですが、野営地キャンプの様にHP/SP/Extraゲージ全てを回復させる手段は有りません。

 また、今回は「お金」の概念が存在しないため、全てフィールドを走り回り敵を倒し、自生している食料を乱獲し、釣り糸を垂らし、時にアイテムを交換して自分たちで「糧」を得ていく事になります。自分たちの行動にとにかく無駄が有りません
ここら辺も現実的で、サバイバル感が引き立ちます。
其れゆえか、従来のシリーズの様に装備品が高くて金欠・・・と言う事態に陥り辛い。
反面、共通の交換手段となれる「通貨」が存在しないため、特定の素材が足りないと言う事にも陥る場合も有ります。特にあまり採取を積極的にやらない早解きの方は不満があるかもしれません。武具どころか、回復役のいないこのゲームで回復薬まで自力で素材を調達しなければいけないのは、人によっては非常に難儀に思える事もあるはず
これを世界観の完成度を上げていると取るか、義務の押し付けと取るかは判れるでしょうね。



・探索
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 本当の意味での原野や原生林を歩き回りマッピングしていく事になります。
平原に、海岸に、密林に山に、未踏の地を探索するわくわくは素晴らしい
。生活圏の確保という大義も有ります。私にとっては初めてのマッピングでしたが、ダンジョンやフィールドが単なる通過点ではなくなり、地図として形に残るのは嬉しいものですね。
そしてとにかく広大です。
 10~20時間程度ストーリーを進めるだけでは半分も埋まりません
。メモリーの大半をMAPに使ったと言わしめるボリューム。やってもやっても終わりが来ない。
しかも端々にワープポイントも用意されているため行き返りも楽です。

 広大なマップも良く作り込まれています。
加えて、一つの島なので当たり前ですが、殆どの場所が地続きとなっています。
故に高い場所から遠景を眺めて行ったことの無い場所に思いを馳せたり、漂流村から上がる狼煙や通ってきた道を眺める事が出来ると言う点で、舞台としての完成度が高い
立ち止まって体力を回復させるついでにボケ~と景色に見惚れたりするんですよね。王宮や大峡谷など改変された場所を、遠方から側面を眺めてみるとヒモロギが絡まり翼を畳み首をもたげた龍の様になっています。
こういう事も含めて何かと小さな発見が有ったりするんですよね。
 それはフィールドだけでなくダンジョンでも言えます。
結構壁のレリーフなど見てるだけでも面白い。実は、青き鳥に託された品は四章で初めて訪れた時から確認する事が出来たりもします。一週目では気付かない確率が高くとも、2週目のご褒美になるやも。

 ロケーションシステムなる絶景ポイントが有る事でフィールド踏破中の景色にもメリハリが出てきます。
冒険感から来る発見の嬉しさは上述の通りですが、島を南北に分断し天高くそびえる長大な山「ジャンダルム」を登りきったときに山頂から見える北側の光景に、それまでの苦労も合わさり、暫く感じ入ってしまいます。ネット上コメントでSEGAの名作「グランディア」の「世界の果て」を超えた時の気分だったと言うものが有って、なる程と思わされました。
 戦闘時のフリーカメラには弊害を感じることもありましたが、探索時のフリーカメラは視界が大きく広がる事で臨場感を高め作品の完成度を遥かに上げています
今作の雄大な景色は正しくフリーカメラの導入に依る恩恵その物でしょう。

 フィールドアクションはダッシュ・1~2段ジャンプに加えて壁登りに素潜りと割かしシンプル。
複雑なギミックがある場所も少ないので、極地の踏破と言う要素は少なめ。

 MAPに関しては広大なのはフィールドだけでなく、自然物のダンジョンも中々にボリューミー。
特に序盤の「隆起珊瑚の森」と「浸食谷」は延々と彷徨いました。そして迷ってる間に溢れてくる敵に辟易。何度も撤退する羽目になり、正しく大自然の驚異そのものでした・・・。
複雑で入り組んだ先に宝箱が配置されていたりするので探索のし甲斐も有ります。
対して人工的なダンジョンは割とシンプルでしたね。
 一度行った場所も探索具の更新等で再訪する事も多いため、きっちり探索する恩恵もきっちりあります。

 ダンジョンにしろ、フィールドMAPにしろ、最初に訪れた時に全ての部屋や宝箱を回収する事が出来ない事が大半。
ストーリーが進むことでようやっといけるようにもなります。しっかり探索するほどその手の発見も増えますので、ちゃんとプレイする人ほど楽しいでしょうね。
 ジャンダルムもそうですが、新たなロケーションや一人島の様ないけなかった場所にようやっといけるというのは一つのカタルシスです。

 少し気になったのは、各フィールドが小分けにされている事が多く、一つの広大なフィールドを駆け抜けると言う事はあまりありません。「閃」の「ノルド高原」のような場所が無いのはやや残念。
まぁRPGとアクションでは負荷も違ってきますしね。そもそも島ですし。
よく書かれる感想にある「ロードが長い、気になる~」と言うのも主にここでしょう。
一度のロードで4~5秒とられるので、それ自体は「やや長め」の範疇なのですが、各地を横断しているときに頻繁にロードが入るので気分がそがれる事も。RPGならともかくA・RPGはテンポが大事なのでここは明確なマイナス点でしょうね
 ただ、PSP空の軌跡の様にロード中退屈させない配慮がされています。
直近のイベントに関連した単語の説明がその都度表示されてるので、読んでるだけでも割と気が紛れます。
ここら辺は良質な気遣い、良い工夫。


 3Dポリゴン+リアル投身での作品になって暫く経ちますが、グラフィックも大分進歩しています。
景色は以前から優秀でしたが、今作はキャラクターの造作にも進歩がみられます。体格(身長体重や肉付き)の違いから顔の造作の種類もかなり増加。細かな表情変化もするようになっています。特に笑顔のパターンが多め?で、普通の笑顔、満面の笑み、ドヤ顔、無理をした作り笑い等々。「笑顔」はこの作品の重要な要素なのでここはかなり丁寧ですね。
流石に最大手と比べると劣るのは事実ですが、別に詳細なグラを求める作品でもないので、十分な範疇と言えると思います。後はどれだけキャラクターデザインに近づけるかどうか。

 対して、イベント時の動作パターンが閃の軌跡からほとんど増えていません。
頻繁に同じ動作が繰り返されるのは見ていて少し飽きが来ます。コイツら何回拳合わせてるんだよと・・・。変わらずアイテムを掲げる場合に虚空に手を突き出したまま、相手もそれを握ったり。
ジャギー自体はかなり減ってます。が、漂流村にいるときはかなり酷い事になっています。

 フィールドも良く作られていますが、折り重なっている坂から上下の坂へ~や木の柵や石壁をジャンプで越えて移動できないなど、「不自然な分断」も結構多く違和感を覚える事も
見えるところはどこまででもいけると言う程の自由度では有りません。
 他にも20人以上の脱出者を乗せるにも拘らず小型船舶と言うのは如何なものか?
歴史を描いた壁画なのに1パターンしかない等々、細かな所にはまだ甘さも。


 釣りに関してはメンバー各自で難度が変わってきます。女性はきつい。
釣り易い魚や大きさも変わったりするのでしょうかね?
 また、本当にどこでも釣り糸を垂らす事が出来ます。
陸地に放り込む事まで出来るので、水がある場所なら取り敢えず釣り糸を垂らして何が釣れるか試して見たりします。
 餌もロッドも統一されているため、それらを選択する手間は有りません。
但し餌の調達手段が限られるためやや面倒。
また、釣った魚の使い道が交換するぐらいしかなく、もう少し何かあればなぁ・・・と。



 今作最大の売りは間違いなく、この雄大な大自然を冒険する事でしょう
普段のイースは爽快アクション戦闘が売りなのですが、それを突き放すほど面白い。次から次へと手つかずの世界が広がるため発見の連続であり、某海賊漫画の主人公の言葉を借りるなら「冒険の匂いがする!!」その物です。
中盤以降は大自然の冒険から、謎多き人工物を探る~と言う様に探索の在り方が変わっていくため飽きにくい使用となっています。
そして愛着の湧き易い漂流村と村民たち。
今作の世界観を彩る要素としては素晴らしい仕上がりだと感じました
 ただし、それらの殆どは本筋には関係の無い部分であるのも事実。この作品に与えられた「自由」を不自由と感じない方にとっては最高の贅沢になるはず。逆にがちがちの道筋が欲しい方にとっては何かしら不満が出てくるかもしれませんね。



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