ヴァイオレット・エヴァーガーデンが最終回を迎えたので
2018年4月7日 アニメ・マンガ
皆さん、こんにちは。しもべです。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンが先日最終回を迎えましたね。
今季では唯一真面目に最後まで追っていた作品なので感想でも上げていきます。
以前の感想で挙げた様に、傷ついて痛んだ少女の代筆行を通して出会う人々を交えた成長と再生のお話。
正直初期に考えていたヴァイオレットの陰惨な過去は余り描写が無く不明。その分少佐を得て、人としての喜びを知り、失うと言う過程が背景になっていましたね。超人部分よりもある意味理解はしやすい。
非人間的な少女が「愛してる」を知りたくて、その過程で「愛」だけでなく色々な感情を、もっと言えば人間そのものを理解していくお話。同時に戦争に携わっていた傷病兵の身体と心の傷と病に関するお話でもありましたね。人間としての成長や確立、罪と赦しと言った部分はテーマにしやすくは有るものの、明確なゴールが無いのでどうするのかとひやひやしていましたが、割合綺麗に終わったと思います。特に最後のヴァイオレットの独白や色々な感情が交じり合った複雑で万感溢れる笑顔などは、第一話を見返すと如何に彼女が成長したのかが良く判ります。
あぁ、本当に彼女は人になったのだと。その名が似合う素敵な女性になったのだと思いますね。
話の進行も起(#1~3)・承(#4~6)・転(#7~9/10)・結(#10/11~13)で判り易い。
以前にも書きましたが、画面上では退屈かもしれませんが、情緒に訴えかける話自体もとても好きで、そしてそれだけでなく「感情」と言う複雑怪奇な存在とそれを言葉と言う「形」にする・伝える事の難しさ・そしてその価値を示すと言うテーマと代筆と言う行ないもとても好きでした。
同時に伝える事は本当に難しくて、人間はだから言葉や文字を持つようになったはずなのに、それでもこんなにも難しい。でもそれが伝わった時の嬉しさはひとしおで、それらにはこんなにも価値が有るんだと再認識させられますね。
個人的には3話・5話・7話・9話・10話がとても好きです。
特に後ろ3つは全部泣いた。
ただやっぱり「言葉」と言う部分の価値や本質を過たず示した3話が一番好きですかね。
美辞麗句を重ねればいいわけではないと諭されている気分ですよ。そこら辺も含めて「表現」って難しいですよね。全然関係ないですが、ゲームのMotherシリーズを退屈と取るかどうかでもこの作品の評価は分かれる気がします。
言葉の表現部分に関しての大切さは他にも窺えますが、13話の「愛してるを、少しはわかるのです」のセリフと表情も素晴らしかった。心は複雑怪奇で、他者のものはそれ以上なのに明確に理解できると言われても口幅ったいので、この「少し」がとても収まりよく感じましたね。
一番嵌ったのは2話の「私は簡単で軽い女じゃない」→「私は複雑で重々しい女です」ですがw あれを狙ってやっていたら凄まじいセンスだったのに・・・。無知ゆえにきらめき。
次に不満点も。
代筆業務の依頼内容が「死」に関するものが多すぎる。間接的な影響を受けた3話も含めると3・7・10・11話で死に関連しており、8~9話も手紙ではないが死にまつわる話。作品のテーマの一つですし、ヴァイオレットの成長物語でもあるので、致し方ない所は有ります。
が、手紙の内容と言うのは死にまつわるものばかりではないのでもう少し種類増やせないのか?と思います。
感謝や感動と言った善なるものから怒りや繰り言などの負の部分まで、様々に伝えたい・残したい思いは有るはずで、それができない葛藤は当然色々あるはずなので。今のままでは話の幅がやや狭い・・・。 個人的にはもっと代筆行に焦点を当てて色々な背景から来る依頼を熟してほしかった。「蟲師」のようなオムニバス形式を期待していました。
同じく、ミリタリーアクション要素も今一つ必要性を感じなかった。
ヴァイオレットと言う存在の一端ではあるのは事実ですが、代筆行に置いては必要ではない。特に12~13の列車護衛作戦は話の展開から登場人物の言動までお粗末でこの部分だけは本当にダメと感じます。絵柄も合ってない。
作品の負の部分の象徴なのですが、それならもう少し醜く陰惨な部分の表現が有っても良かった。この作品は全体的に綺麗過ぎるんですよね。
しかし、実際はヴァイオレット個人にスポットライトを当てていて、その成長を描いた作品(オムニバスではなく13話で一本の作品)なので求める物の違いでしかないんですよね。
また同時に、ヴァイオレットと言う人間の成長部分を形作る要素として国家の戦争直後からの再生と言う部分もテーマではあったはずで、戦後のドタバタが入るのも致し方ないのかも。
因みにその成長の物語として、もう少し具体的に言うと彼女が求める「愛してる」について仕事や交流を通して学ぶと言うのが作中のストーリー進行の軸なわけで、家族愛・親子愛や恋愛等を知り、また愛の形だけでなくどう扱われるか(愛しているからこそ、別れが終わりではないと言う部分など)も描かれていました。
それは良いのですが、こちらももう少し幅が出ないのか?と。
愛には他にも隣人愛や友愛から憎愛や偏執愛など色々有る訳で、そういった部分も仕事を通して知って欲しかった。感情表現部分に関しても愛と言うとどうしても喜びや悲しみなど強く大きい感情の動きを想像しがちですが、もっとゆったりとしたスローライフな形も有っても良かったと思います。トムとジェリー的な一見険悪な友人関係とか、老夫婦の穏やかで緩やかな深い関係とか「日常」ですね。
そう言った幅が足りない。
まぁ13話ではどうしたって話数が足りないんですけれど・・・。
総合的に見居れば、何処かで見た事は有るかもしれないけれど、奇を衒わない王道の良さで丁寧に作り上げた作品。
設定に凝り過ぎたり、視聴者の予想を裏切るとかそんな奇抜な事をして目を引こうとして、他が御座なりになりがちな昨今の事情に、王道の良さを示した作品だったと思います。
P.S.
キャラクターでは男では兄大佐、女ではルクリアが好きですね。
後者はただ可愛いから。前者は作品の負の部分の担い手なのですが、何と言うか人間らしくて共感できる。
一番好きなカットは7話の傘で飛んでいるシーンでした。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンが先日最終回を迎えましたね。
今季では唯一真面目に最後まで追っていた作品なので感想でも上げていきます。
以前の感想で挙げた様に、傷ついて痛んだ少女の代筆行を通して出会う人々を交えた成長と再生のお話。
正直初期に考えていたヴァイオレットの陰惨な過去は余り描写が無く不明。その分少佐を得て、人としての喜びを知り、失うと言う過程が背景になっていましたね。超人部分よりもある意味理解はしやすい。
非人間的な少女が「愛してる」を知りたくて、その過程で「愛」だけでなく色々な感情を、もっと言えば人間そのものを理解していくお話。同時に戦争に携わっていた傷病兵の身体と心の傷と病に関するお話でもありましたね。人間としての成長や確立、罪と赦しと言った部分はテーマにしやすくは有るものの、明確なゴールが無いのでどうするのかとひやひやしていましたが、割合綺麗に終わったと思います。特に最後のヴァイオレットの独白や色々な感情が交じり合った複雑で万感溢れる笑顔などは、第一話を見返すと如何に彼女が成長したのかが良く判ります。
あぁ、本当に彼女は人になったのだと。その名が似合う素敵な女性になったのだと思いますね。
話の進行も起(#1~3)・承(#4~6)・転(#7~9/10)・結(#10/11~13)で判り易い。
以前にも書きましたが、画面上では退屈かもしれませんが、情緒に訴えかける話自体もとても好きで、そしてそれだけでなく「感情」と言う複雑怪奇な存在とそれを言葉と言う「形」にする・伝える事の難しさ・そしてその価値を示すと言うテーマと代筆と言う行ないもとても好きでした。
同時に伝える事は本当に難しくて、人間はだから言葉や文字を持つようになったはずなのに、それでもこんなにも難しい。でもそれが伝わった時の嬉しさはひとしおで、それらにはこんなにも価値が有るんだと再認識させられますね。
個人的には3話・5話・7話・9話・10話がとても好きです。
特に後ろ3つは全部泣いた。
ただやっぱり「言葉」と言う部分の価値や本質を過たず示した3話が一番好きですかね。
美辞麗句を重ねればいいわけではないと諭されている気分ですよ。そこら辺も含めて「表現」って難しいですよね。全然関係ないですが、ゲームのMotherシリーズを退屈と取るかどうかでもこの作品の評価は分かれる気がします。
言葉の表現部分に関しての大切さは他にも窺えますが、13話の「愛してるを、少しはわかるのです」のセリフと表情も素晴らしかった。心は複雑怪奇で、他者のものはそれ以上なのに明確に理解できると言われても口幅ったいので、この「少し」がとても収まりよく感じましたね。
一番嵌ったのは2話の「私は簡単で軽い女じゃない」→「私は複雑で重々しい女です」ですがw あれを狙ってやっていたら凄まじいセンスだったのに・・・。無知ゆえにきらめき。
次に不満点も。
代筆業務の依頼内容が「死」に関するものが多すぎる。間接的な影響を受けた3話も含めると3・7・10・11話で死に関連しており、8~9話も手紙ではないが死にまつわる話。作品のテーマの一つですし、ヴァイオレットの成長物語でもあるので、致し方ない所は有ります。
が、手紙の内容と言うのは死にまつわるものばかりではないのでもう少し種類増やせないのか?と思います。
感謝や感動と言った善なるものから怒りや繰り言などの負の部分まで、様々に伝えたい・残したい思いは有るはずで、それができない葛藤は当然色々あるはずなので。今のままでは話の幅がやや狭い・・・。 個人的にはもっと代筆行に焦点を当てて色々な背景から来る依頼を熟してほしかった。「蟲師」のようなオムニバス形式を期待していました。
同じく、ミリタリーアクション要素も今一つ必要性を感じなかった。
ヴァイオレットと言う存在の一端ではあるのは事実ですが、代筆行に置いては必要ではない。特に12~13の列車護衛作戦は話の展開から登場人物の言動までお粗末でこの部分だけは本当にダメと感じます。絵柄も合ってない。
作品の負の部分の象徴なのですが、それならもう少し醜く陰惨な部分の表現が有っても良かった。この作品は全体的に綺麗過ぎるんですよね。
しかし、実際はヴァイオレット個人にスポットライトを当てていて、その成長を描いた作品(オムニバスではなく13話で一本の作品)なので求める物の違いでしかないんですよね。
また同時に、ヴァイオレットと言う人間の成長部分を形作る要素として国家の戦争直後からの再生と言う部分もテーマではあったはずで、戦後のドタバタが入るのも致し方ないのかも。
因みにその成長の物語として、もう少し具体的に言うと彼女が求める「愛してる」について仕事や交流を通して学ぶと言うのが作中のストーリー進行の軸なわけで、家族愛・親子愛や恋愛等を知り、また愛の形だけでなくどう扱われるか(愛しているからこそ、別れが終わりではないと言う部分など)も描かれていました。
それは良いのですが、こちらももう少し幅が出ないのか?と。
愛には他にも隣人愛や友愛から憎愛や偏執愛など色々有る訳で、そういった部分も仕事を通して知って欲しかった。感情表現部分に関しても愛と言うとどうしても喜びや悲しみなど強く大きい感情の動きを想像しがちですが、もっとゆったりとしたスローライフな形も有っても良かったと思います。トムとジェリー的な一見険悪な友人関係とか、老夫婦の穏やかで緩やかな深い関係とか「日常」ですね。
そう言った幅が足りない。
まぁ13話ではどうしたって話数が足りないんですけれど・・・。
総合的に見居れば、何処かで見た事は有るかもしれないけれど、奇を衒わない王道の良さで丁寧に作り上げた作品。
設定に凝り過ぎたり、視聴者の予想を裏切るとかそんな奇抜な事をして目を引こうとして、他が御座なりになりがちな昨今の事情に、王道の良さを示した作品だったと思います。
P.S.
キャラクターでは男では兄大佐、女ではルクリアが好きですね。
後者はただ可愛いから。前者は作品の負の部分の担い手なのですが、何と言うか人間らしくて共感できる。
一番好きなカットは7話の傘で飛んでいるシーンでした。
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